約 2,344,840 件
https://w.atwiki.jp/watashianime/pages/657.html
女性声優・ハ行 所属:青二プロダクション 2005年 ARIA The ANIMATION(アリス) 2006年 ARIA The NATURAL(アリス) 2008年 ARIA The ORIGINATION(アリス・キャロル) 2010年 WORKING!!(山田葵) 2011年 WORKING !!(山田葵) 2014年 繰繰れ!コックリさん(市松こひな) 2015年 WORKING!!!(山田葵)
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/1198.html
―――此処は剣と魔法…そして土下座が全ての根源を成す幻想世界――― 創世の土下座三女神(ドゲガデス)ドゲリア・ドゲーネ・ドゲリスが産み出したとされる天地。 <DOGEZARIA(ドゲザリア)> 時は聖ドゲ歴1000年。 ドゲ・ザリー帝国の初代皇帝ドゲザーは直属の部下たる土下座四天王、そして支配階級たる土下貴族 達を率い、世界各国を相手取って土下座大戦(ワールド・ドゲ・ウォーズ)を引き起こした。 この一大戦争に勝利したドゲザーは、遂に土下座による世界制覇を成し遂げる。 土下座税(ドゲタクス)の導入による、貧困層の拡大。 横行する土下座軍(ドゲタリー・フォース)による被支配者への横暴。 土下貴族(ドゲ・ノーブル)は土下座によって強権を振るい、圧制を強いた。 政治家達は土下座主義(ドゲ・ポリシー)によって腐敗し、平和主義を説いた土下座教(ドゲ・チャーチ) は徹底的に弾圧された。 力なき民は、ただひたすらに願った。 英雄の到来を。 勇者の降臨を。 ―――そして、彼は来た。 「この通りです…どうか…御赦しをっ…!」 その身に秘めた神秘の力。其れ故に帝国に追われる少女ドゲリー。 彼女を救ったのは、貴族達をも易々と退ける土下座力の持ち主。 名をハジメ=セト。 ―――彼はどこから来たのか? ―――彼は何者なのか? ―――ただ、一つ。 彼の土下座は、この歪んだ世界を変える土下座――― セトとドゲリーの元に集まる、宿命に導かれし仲間達。 「僕は土下座魔神アスラの生まれ変わりだー!」 「俺は土下座親善大使だぞー!」 「土下座なんぞしてんじゃぬぇぇ!(若本規夫ボイス)」 彼らとの旅の中で、何も知らなかった少女は世界を知る。 その醜さを。 そして、なおも美しきものもあるという事を。 そして―――この世界を歪める者達の暗躍を。 そんな世界でも、人は、力強く生きていた。 笑顔を忘れず、朗らかに笑っていた。 だが、彼らを悲しめ、苦しめる帝国の存在は、ドゲリーに暗い影を落としていく。 自分はセトや仲間達によって救われた。 ならば、彼らは。 誰が、救ってくれるというのだろう? 「ドゲリー」 セトは、ただ、静かに問うた。 「君が望むなら、私は力を貸そう」 「セト…」 「私に与えられた万難を排す土下座力は、全て君のものだ」 「掌は私が地に着けよう。膝は私が曲げよう。頭ですら、私が下げよう――― それでも、君が決めるんだ。望むのは、決めるのは、君だ」 「わ、私は…」 決意した。 土下座で歪んだ世界を、土下座で救うと。 この世界を正すため―――そしてドゲリーを救うために、彼らと共に帝国に挑むセト。 待ち受けるは、圧倒的な土下座力を持つ四天王。 「ほほほ…哀れな娘よな、ドゲリー…否。創世の女神の化身め!」 「教えてやろう…貴様の土下座など、何の意味もない事を!」 「見せてくれようぞ。真の土下座というものをなぁ!」 「ブエナスノーチェス(こんばんは)!そしてアディオスアミーゴ(さようなら)! 哀れなるセトよ、貴様の土下座もここまでだ!」 遂に姿を現した皇帝ドゲザー。 そして明かされる、衝撃の真実。 「愚かな―――あくまでも私に…父に逆らおうというのか…息子よ!」 「何故だ…何故、父の志を理解せん!」 「我が土下座こそが…我ら一族だけが、土下座によってこの腐った世界を統治すべきなのだ!」 迫り来る巨大な敵。 余りにも強大な運命。 ならばそれに膝を屈するか? それとも――― 「諦めないで、セト!君の土下座は、もっと…何よりも強かったはずだよ!」 土下座によって、運命をも切り裂くか―――? ―――ねえ。 まだ、覚えてるかな? 君と出会ったあの日の夕焼けと―――あの日の土下座。 あの日、私は、君と一緒に、地に頭を擦り付けたよね――― ~君と土下座するRPG~ Tails of DOGEZARIA 近日発売!
https://w.atwiki.jp/vs-wiki/pages/920.html
「水無 灯里」 ARIA CB/001 水無 灯里/遥かなる蒼 CB/007 水無 灯里/心の懸け橋 CB/008 水無 灯里/ARIAカンパニー CB/019 水無 灯里/もみ子 CB/031 水無 灯里/見習い水先案内人 CB/032 水無 灯里/幸せの達人 CB/033 水無 灯里/素敵探しの天才 CB/P02 水無 灯里/新しいはじまり CB/P04 水無 灯里/ARIAカンパニーの片手袋 関連効果 強化CB/003 アリシア・フローレンス/白き妖精あなたのスタンドしているエネルギー1枚につき、あなたのリングの「水無 灯里」を+500/+500。 サーチCB/017 アイ/ARIAカンパニー【スパーク】あなたは自分の山札を見て「水無 灯里」を1枚まで選んで相手に見せ、自分の手札に加える。その山札をシャッフルする。
https://w.atwiki.jp/casterchronicle/pages/1038.html
〈MARIABELLA(まりあべる)〉 怪異 コスト5/太陽/バンド/努力/ATK5000/DEF2000 共同戦線,アイドル 二重穢し このカードが戦場から墓地に置かれるなら、 代わりに味方デッキの一番上からカード5枚を墓地に置いてよい。 そうしたなら、 このカードは戦場にとどまる。 DRAGON S GATEで登場のコスト5の太陽の怪異。 共同戦線,アイドルと二重穢し、戦場から墓地に置かれる時、デッキトップ5枚を身代わりにできる能力を持つ。 新たなバンドの1枚であり、〈ERENA〉と同じくコスト5である。 あちらは攻めに特化した能力であり、こちらは守りに特化した能力となっている。 非常に強力な「とどまる」能力を持ち、デッキさえあれば、攻撃をすべて去なすことができる。 〔星の逆行〕を繰り返し使用し、デッキを維持できれば、対策の相手には完封することもできる。 一方で、バンドを中心としたデッキでは、他のカードのDCTの関係上、〔星の逆行〕との相性が悪い。 墓地肥やし自体との相性はいいものの、墓地肥やしをしすぎて、デッキがなくなってしまうといった自体にもなりかねない。 このカードを使用するならば、専用の構築をしたほうがいいだろう。 バンドでありながらDCTを持たないため、墓地に依存せず運用可能であり、他のデッキへの出張が可能である。 なお、「とどまる」ことができるのは「戦場から墓地に置かれる時」である。 〔やる気0〕のようなバウンスや〔異次元への扉〕のような除外には無力である。 また、リバース状態で維持したところで傲慢には無視されてしまう。 逆に言えば、それらのようなカードを採用していない場合には、このカードを突破することができない。 このカードに対応できるカードを採用しておいたほうがいいだろう。 カード情報 フレーバー・イラストレーター アトラクシアをよろしく! illust mie 収録 DRAGON S GATE BP03S2-006 C
https://w.atwiki.jp/compels/pages/384.html
「い、いぢぢぢぢ……ひ、ひで~目に遭ったぞ………」 かつて宇宙にその名を馳せた戦闘民族サイヤ人。 その最後の生き残りである孫悟空は、肩に負った傷の痛みに呻いた。 バビロンの魔女が放った貫通魔法の不意打ちは、彼をして覿面の効果を発揮しており。 びりびりと上着の道着を破いて包帯代わりに巻いてみたが、暫くは動かせそうにない。 (さっきの女がネモの奴を追うかも知れねぇ。そうなったら最悪だ。 そんな事になる前に、早いとこカルデアっちゅう場所に行きてぇけど………) 肩に負った傷は貫通している。服で止血こそしているが、本来なら絶対安静の傷だ。 だからこそネモが待っており、尚且つ医療設備の整ったカルデアに早く向かいたいが… ───だ、けど……誰も、助けて、くれないじゃないか…… 脳裏に過るのは、蹲って此方を恨めしそうに見つめてきた藤木の言動。 恐怖に怯え、凶行に及ぼうとしていた子供の姿だった。 孫悟空は自分がこれまでの行動で間違った選択をしたとは思っていない。 事実ネモは悟空と共に過ごした数時間余りで、一定の成果を上げた。 サンプルが無いため首輪の解除にこそ至ってはいないが。 それでも乃亜が科した死の戒めを解くのに、この島で最も近い存在だと考えている。 だから、他の子供より優先するのは当然だ。ネモの役割は替えが効かないのだから。 それでも、実際に犠牲になるであろう少年を目の当たりにすると…… 後ろ髪を引かれる様な複雑な思いが、胸中で渦巻く。 ───弱虫なんじゃないの、おじさん。 ベジータの息子であるトランクスと、実子の悟天。 魔人ブウの一件の時に二人から向けられた視線と厳しい言葉が蘇ってくるようだ。 あの時も結局、二人をちゃんと納得させる事は出来なかったな、そんな事を考えた。 「────すまねぇ」 孫悟空と言う男は、犠牲になる子供達に心を痛める善良さを有していたが。 同時に、感傷を何時までも引きずるほどの青さもなかった。 これまで助けられなかった犠牲者の子供達と。 これからも助けられないであろう犠牲者となる子供達に、短い謝罪の言葉を贈って。 そして、カルデアの方角に視線を向けた。 方針に変更はない。まずはネモとしおの二人と合流し、体勢を立て直す。 カオスやリーゼロッテの様なマーダーとネモ達が遭遇する前に、急がなければ。 硬い決意と共に、未だ肩に走る鋭い痛みを捻じ伏せ。 駆けだそうとした、その時の事だった。 「孫悟空さん………ですわね?」 空から声を掛けてきた、金髪の少女と銀髪の甲冑の少女に気づいたのは。 □ □ □ シャーロット・リンリンの襲撃から一足先に難を逃れてから暫し。 聖ルチーア学園にて、メリュジーヌを待っていた沙都子達だったが。 そこにメリュジーヌの姿は無く。 連絡を試みると、此方の方で30分程休息を取ってから合流すると告げられた。 まさか不覚を取り深手を負ったのかと考えたが、それはないと一言で返され。 そして、一方的に通信は切られた。 実にマイペース。沙都子は嘆息せずにはいられない。 とは言え彼女が告げてきた現在位置は既に目と鼻の先で、ならば焦る必要も無いか。 いざとなればカオスと共に迎えに行けばいい。彼女はそう結論付けた。 「沙都子おねぇちゃん……!」 それからすぐ後の事だった。 修道幼女の姿に戻っていたカオスが、突如急に緊張した面持ちを見せたのは。 人の目が無いからと存分に甘えていた先ほどまでとは違う。 不安に駆られ、縋るような眼差しが、沙都子へと向けられていた。 どういう事かと尋ねてみると、カオスは無言でそっと沙都子を抱きかかえ。 教室の窓から飛翔し、補足した対象へ向けて指さしてくる。 尤も、沙都子の視力では小さな人影にしか見えず、説明を仰いだ。 するとカオスはいかにも自信なさげな表情で、その名を呼ぶ。 「悟空お兄ちゃんが……」 孫悟空。 この殺し合いの当初にカオスが出会い、惨敗を喫し。 そしてメリュジーヌをして死力を尽くして戦い勝利できるか否かと語った男。 怪物の様なその男の生体反応を、カオスのレーダーがキャッチしたという。 彼女の索敵能力は人間の比では無い、間違いは無いはずだ。 その話を聞かされた瞬間、沙都子が考えたのはまず逃げるか否か、という事だった。 孫悟空と言う男は孫悟飯の話によればとても殺し合いに乗るような人間ではない。 つまり、沙都子の敵にしかなりえない人間だ。 そしてカオスの話によれば、真っ向からぶつかれば玉砕になる可能性が高い相手でもある。 このタイミングでみすみすカオスを失いたくはない。 相手は未だ此方に気づいていない様だし、選ぶのは逃げの一手。 即座に結論を出し、カオスに命じようとしたその時だった。 「あれ……でも………」 沙都子が命じる前に、カオスは怪訝そうな声を上げて、何某かを調べ始めた。 真剣な彼女の様子に沙都子も口を挟めず、黙ったままカオスの横顔を見つめて待つ。 数十秒程の時間をおいてカオスは、調べ終わった孫悟空の情報を沙都子に述べた。 「お兄ちゃん……ケガしてるみたい……」 報告を聞いた瞬間、建てられた方針の風向きが変わった。 カオスすら真っ向から打ち破った男が、手負いになっているという。 優勝を目指す沙都子にとってそれは、とても看過できる情報では無かった。 カオスも沙都子の様子が変わったのを感じ取ったのか。 指示を求めるように、上目遣いで見つめる。 「どうする…?もしかしたら、今ならメリュ子おねぇちゃんを呼べば勝てるかも……」 相手は手負いの獅子。今が討ち取る絶好のチャンスなのかもしれない。 逃走。その二文字で決定したはずの方針に、今度は三択の選択肢が浮かび上がる。 このまま当初の予定通り離れるか。接触してみるか。 それともメリュジーヌを無理やりにでも呼び戻し、抹殺を試みるか。 「………………………」 曲げた人差し指を顎に絡め、黙考を行う。 今度はカオスが、思索を巡らせる沙都子の横顔をじっと眺める番だった。 一分ほど経って、孫悟空が自分の道着を損傷した肩に巻くのに手こずっている間に。 北条沙都子は、新たな決断を下した。 「………これから、孫悟空さんと会って来ましょうか、カオスさん」 真剣な表情で、沙都子は出した決断を口にした。 カオスは彼女の言葉を聞いて、びくりと肩を震わせた。 当然だ、自身の最強兵装であるアポロンすら真っ向から打ち破る相手。 そんなカオスの知る地蟲(ダウナー)の常識から外れた男を相手取るのだ。 緊張も不安も、ロールアウトしてから幼いカオスが抱かぬはずも無かった。 「…安心してください。今回は彼と事を構えるつもりはありませんから」 カオスの不安を表情から察したのか。 沙都子はそっとカオスを抱き寄せて、そう告げた。 だが、言葉の意図を理解できずにカオスの表情が怪訝な感情を含む。 一か八か手負いの内に奇襲をかけるというのなら分かる。 だが、ただ接触するだけでは余りにもハイリスクかつローリターンだ。 もし自分達がマーダーだとバレたら。当然の不安だった。 「勝てる状況を作った上で挑むなら兎も角、場当たり的に勝負するのはナンセンスですわ。 ただ、どうあっても我々が優勝するには、あの方にもいずれ勝たなければなりません」 孫悟空は強敵だ。カオスもメリュジーヌもそう評価を下している以上、間違いはない。 よって偶発的な遭遇戦で勝負を挑むのは沙都子にとって愚策。 討ち取ることに成功しても、その時点でカオスとメリュジーヌが相打ちになっていれば。 そんな状況になってしまえば、沙都子の優勝も絶望的になってしまうのだから。 勝負をかけるのなら、こちらがアドバンテージを握れる状況に誘い込んだ上で挑みたい。 そしてそのために、探りを入れられるなら早い段階で探っておきたい。 最強の対主催である男が、血を流した原因を。 優勝に近づくほど、彼と対決する未来は避けられないのだから。 「大丈夫、彼も首輪を嵌められている以上、乃亜と違って此方と条件は同じ。 それに血を流せるのなら───殺せない相手ではありませんわ。それだけは確かです」 カオスの頬に優しく手を添えながらほほ笑む沙都子。 そんな彼女の不敵な態度は、カオスにとって頼もしく思えた。 動力炉に渦巻く不安が、晴れていく様だ。 表情が変わっていく己の左腕の様子を確かめつつ、沙都子は続ける。 守っていては勝てない。カオスさんが負けたからこそ、だからこそ行く。 一度コテンパンにした相手が、進んで近づくなんて普通ならば考えない。 だからこそ、相手の意表を突ける。 語る魔女の言葉は、自信に満ち満ちていて。 だからこそカオスは、沙都子の為に問わねばならなかった。 もし自分達がマーダーだと気づかれた場合、若しくは既に他の参加者から悪評を聞いていた場合、どうするのか、と。 「そうですわね……その時は、大人しく降参しましょう」 「……え?」 カオスの表情が、さっきまでの曇ったモノに変わっていく。 失望すら孕んで居そうな、その表情を前に。 沙都子の態度は変わる事無く不敵なままだった。 カオスの失望を払しょくする為に、再び彼女は考えを述べる。 「悟飯さんの言葉が正しければ、それはそれは人格的にも素晴らしい方の様です。 なら抵抗しなければ、マーダーとバレていた場合でも殺される事は無いでしょう」 「で、でも……」 余りにも楽観的に過ぎる様に思える言葉に、カオスの表情が更に曇る。 殺されない、と言っても支給品などは没収されてしまうだろうし。 拘束だってされてしまうだろう。もしそうなったら、優勝の望みが潰えてしまう。 そんなカオスの懸念に沙都子は、「だからこそ、メリュジーヌさんを呼び戻さないのです」 そう語った。 「カオスさんなら、もうメリュジーヌさんの持つ通信機に呼びかける位は可能でしょう?」 「え、う、うん……」 沙都子の持つ玉虫色のイヤリング型携帯電話を手渡され。 シナプス最高の科学技術を結集して作られたエンジェロイドが解析を行う。 シナプスの技術と比べれば流石の天才の技術も骨董品と言う他なく。故に結果は当然、 周波数さえ合わせればメリュジーヌの持つ通信機にカオス自身が呼びかけられると言う物だった。 「…これでカオスさんさえいればメリュジーヌさんといつでも通信ができます。 別動隊で動いてくれる彼女がいれば、例え我々が捕まったとしても………」 「そっか、メリュ子おねぇちゃんを呼べばいいのね!」 その通り、と沙都子は首を縦に振った。 例え孫悟空が沙都子達の悪評を知っており、掴まって拘束されたとしても。 殺されさえしなければ頃合いを見てメリュジーヌに救援を頼み、脱出が可能だ。 沙都子がメリュジーヌを別動隊としたのは、アリバイ作りのためだけでなく。 こう言った相互に支援し合える関係の構築のためでもあった。 「……とは言え、絶対に安全とは言い切れません」 沙都子は自分が撃てる手は全て打った自負がある。 しかし、それでも今から行おうとしている事は綱渡りである事は否めなかった。 既に孫悟空が沙都子達の悪評を認知しており、殺しにかかってくるかもしれない。 或いはメリュジーヌの通信機が破壊され、脱出不可能な状況に陥るかもしれない。 リスクを挙げて行けばキリが無くなるほどだ。しかし、それでも。 「それでも……今危ない橋を渡っておくべきだと、私は考えますわ」 それでも、シカマルや一姫の撒く悪評が周知され切っていない今のうちに仕掛けるべきだ。 綱渡りをしなければ、格下は下剋上を仕掛けるチャンスを失ってしまう。 その想いを胸に、沙都子はカオスに今一度問いかける。 ───私に、命を預けて下さいますか? 雛見沢の魔女は不敵な笑みを保ったまま、幼き天使を抱擁する。 抱きしめられたカオスは、沙都子の体温を感じながら暫く沈黙したあと。 やがて、意を決した表情を浮かべた。 そう、沙都子の言う通り、いずれ大博打は打たなければならない。 シナプスの最新鋭エンジェロイドでも及ばぬ怪物を、超えなければならないのだ。 だったら、今から臆している訳にはいかない。 臆していたら、きっと沙都子おねぇちゃんは一人でもやろうとするから。 沙都子おねぇちゃんにまで、要らないって言われてしまうかもしれないから。 それだけは、幼いカオスにとって、絶対に嫌なことだったから。 「───うん、一緒にやろう。おねぇちゃん」 沙都子の身体を潰さぬように優しく抱きしめ返しながら、カオスは力強く言葉を紡いだ。 その言葉が聞きたかった。沙都子はほくそ笑みながら体をゆっくりと離す。 そして片手でカオスの頭を撫でつつ、もう片方の手に握った拳銃をカオスに差し出す。 「これ、預かっておいてください」 そう言って、沙都子は拳銃を手放し、カオスに渡した。 別に隠し持ったまま接触してもいい。だが、数時間前のシカマルの事もある。 元々拳銃程度ではビクともしないであろう相手ではあるが。 それでも持ったまま接触すれば意識が拳銃に向かって、感知されてしまうかもしれない。 ならば最初から丸腰で接触し、殺気などを気取られるリスクを下げたほうが合理的。 その考えての譲渡だった。 同時に沙都子は、カオスに瞬間的な防衛行為を除く戦闘行為の一切を禁じた。 下手に抵抗しないほうが、捕虜として扱われる可能性が高いのだから。 渡された拳銃と、厳命された専守防衛の指示。 カオスは拳銃と沙都子の顔に何度か視線を彷徨わせた後、しっかりと頷く。 彼女の感情制御は幼いものの、決してバカではない。 沙都子の指示の意図を、即座に理解する聡明さがあった。 「さて…では、そろそろ行きましょうか」 カオスが自らの拳銃をランドセルに仕舞い、メリュジーヌの姿に変身するのを確認し。 沙都子は微笑みながら、彼女に抱きかかえられた。 不安はある。緊張はある。だが臆することはない。 直後、少女の矮躯が一瞬にして浮き上がり、負担のかからぬギリギリの速度で空を進む。 「──雛見沢に祀られるオヤシロ様として、孫悟空さんに挑戦です」 妖しい笑みを浮かべて、少女は征く。未来の栄光を得るために。 今の自分達の力量では決して及ばぬ相手を下すために。 この接触を、近いうちに来る勝利へとつながる布石とするために。 野心に燃えるその姿を知らない第三者が形容するなら、大胆不敵な策謀家の少女。 同時に、彼女の親友である古手梨花が見れば、きっとこうコメントするだろう。 アンタ、その無駄な情熱をもっと勉強に向けなさいよ、と。 □ □ □ 北条沙都子らと孫悟空のファーストインプレッションは、険悪な物では無かった。 まだシカマルや一姫ら一派と遭遇しておらず、悟空は沙都子の悪評を知らなかったからだ。 加えて、沙都子がシカマル達との交戦の反省から武装解除していたのも功を奏した。 元々悟空はシカマルと違い誰も彼も疑ってかかる性格ではなく。 接近するまで気づかぬ気の大きさの、それも丸腰の少女を、最初から疑ってかかる要因も無かった。そして何より、 「悟飯の奴と会ったのか!?」 「えぇ、残念ながら直ぐに別れて、今どこにいるかは分かりませんが…… 悟空さんの様に、このゲームに抵抗するとおっしゃっていましたわ」 沙都子が、彼の息子である悟飯の事を知っていたのが大きかった。 伝えられる特徴は、間違いなくセルゲームの時代の悟飯だ。間違いない。 悟空は破いた道着を沙都子の手でしっかりと巻き直されながら、それを確信していた。 今どこにいるかは定かではないにせよ、やはりこのゲームを打破するべく動いてくれているらしい。 「そうか…居場所が分かれば合流してぇ所だったんだけどな……」 「悟飯さんも言ってましたが、悟空さんも気で探す事はできませんの?」 依然悟飯と接触した際。 そう長い時間一緒にいたわけではないが、沙都子は彼と情報交換を行っていた。 その時に、気の探知がこの島では上手く働かないと伝えられていたが。 どうやら悟飯だけではなく、目の前の男も同じであるのか。 そう指摘してみると、悟空はあっさりと首を縦に振った。 「この島では気の探知が上手く働かなくてよ、それでも強ぇ奴なら分かるんだけんど── …そうだ沙都子。おめぇの隣に立ってるそいつ、もしかして機械だったりすんのか?」 「……は?」 「おめぇみたいな気の小さい奴は分かりにくいけど、それでも近くに来れば分かるんだ。 でもそいつ全く気を感じねぇから、もしかして機械なんじゃって思ったんだ 人造人間って、オラ昔そういう奴らに会ったことあるからよ」 そう言って彼はメリュジーヌを指さして、能天気に尋ねた。 彼の問いかけに、メリュジーヌに扮するカオスはポーカーフェイスのまま考えを巡らせる。 不味い、どう答えるべきか。下手な答えではボロが出てしまう。 こういった服芸は、如何なシナプスの第二世代エンジェロイドでも門外漢。 固まってしまいそうになる彼女に、沙都子は先んじて助け舟を出した。 「メリュジーヌさんは人とは違う種族の方ですから。 その気とやらの感じ方も違うのでしょう、ただでさえ乃亜に何かされているようですし」 あっけらかんと。眉一つ動かさずに沙都子はブラフを述べた。 本物のメリュジーヌは恐らく気と言う物を纏ってしまっているだろうが。 それでも今孫悟空を欺くにはこれしかない。 彼は本物のメリュジーヌと出会ってはいないだろうから、勝算は十分にある。 とは考えつつも、冷や汗を禁じ得ない瞬間だった。 「すまない。私は君の言う気というものを知らないから… 君の言う人造人間と同じかどうかは判断ができない」 沙都子のフォローに合わせた答えを、カオスも続ける。 正直流石に苦しいかと沙都子もカオスも思ったが、嘘だと断じるのも難しいはず。 祈るような気持ちで、二人は悟空の反応を待った。 「そうか……まぁ確かに普段と比べれば気そのものが感じにくくなってるしなぁ…… でもカオスやメリュジーヌみたいな奴が他にもいると、気の察知だけに頼るのも危ねぇな」 どうやら、納得はして貰えたらしい。 特に反論することなく、悟空は自身の置かれている状況を考え込んでいる様子だった。 それを見て、話題を変えようと沙都子が口火を切る。 今の沙都子たちにとって、最も知りたい情報について切り込んだ。 「私からも少しいいですか?悟空さん。 その、貴方に大怪我を負わせた相手について知りたいのですが……」 目の前の悟空はどう考えても一戦交えた直後の様子だ。 であれば、交戦の原因と肩を撃ち抜くという凶行に及んだ下手人のことが知りたい。 おそらくは沙都子が対主催であっても尋ねていたであろう問いかけだった。 「あぁ、おめぇ達に会うちょっと前に、長い白髪に黒い服の女に会って───」 長い銀の髪をした黒い服の女。 それが、最強の男の肩の風通しを良くした張本人だという。 単純な強さでいえば自分に劣るが、とにかく頭が良いらしい。 更に様々な魔法が使えて、人類を皆殺しにしようとしている危険な女だとか。 (その方が悟空さんの肩を撃ち抜いた相手…) 伝えられた女の情報を口の中で反芻しながら、沙都子は考える。 その内容は件の女に交渉の余地……否、利用価値があるか否かだ。 悟空の話では、痛み分けに近い結果に終わった様子だが。 となれば、相手も決して軽くないダメージを負っていて、単騎で勝つのは難しい。 そういった結論に至っていても不思議ではないし、もしそうなら交渉の余地がある。 孫悟空を倒すために、結託する余地が。 メリュジーヌと合流して以降になるが、可能であれば接触してみたい。そう思った。 「その女には私たちも気を付けておきますわ。ありがとうございます。 ……あと、もう一つだけ宜しいでしょうか。その、何故子供の姿に?」 もう一つ、沙都子には知っておきたい事があった。 それは、そもそも何故孫悟空と言う男が子供の姿でここにいるか、だ。 悟飯の話によると彼は立派な成人男性で、身長も相応の大きさだったという。 サイヤ人という人間に近しい宇宙人らしい、というのは悟飯から聞かされていたし。 実際目の前で尻尾を揺らす少年を見れば疑うべくも無いが。 まさか子供と同じ背丈になる術でも身に着けているのか。 そう尋ねると、やはりあっさりとした態度で彼は返事を返した。 「あ~その、色々あってさ。少し前に不思議な力で子供の姿にされちまったんだ。 ま、オラにとっちゃ対して困る事でもねぇけど」 「成程……その不思議な力というのは魔法か何かで?」 「あぁ、ドラゴ───おわ~~たたた!!!………うん、まぁ、そんな所だ」 「………?」 何だか話の結び付近が不自然なやりとりになりとなり、怪訝な感情が湧いた。 それに従い少し追求してみたが、その後の悟空の返答は歯切れが悪く、曖昧な物で。 挙句オラの話はこの辺にして、次は沙都子の話も聞きてぇと誤魔化されてしまった。 (とは言え何か特別な能力であれば……彼の身体にも通じるできるという事でしょうか) 悟空が飲み込んだ話は気になる物の、これ以上食い下がった所で心証を悪くするだけだ。 それに聞いてばかりと言うのも此方を探っているのかと、疑心を抱かれるかもしれない。 収穫はあったし、この辺で納得しておこう。 「では、私たちの方からも、これまで出会った方々の話を───」 話を聞いて抱いた考えはおくびにも出さず。 今度は自分たちが話をする番だと、沙都子は口を開こうとした。 だが、その前に、悟空は片手を前にして制止するようなポーズをとった。 同時に視線を、目前の少女二人から傍らへと移す。 カオスも既にそうしており、気づいていないのは沙都子だけの様子だった。 まだ呑み込めていない魔女を尻目に、戦士は誰何の声を上げる。 「隠れてねぇで、そろそろオメェらも出てきたらどうだ」 なるほど、これが気の探知というものか。 頼りにするのも頷ける察知力だと感じながら、遅れて沙都子も悟空らと同じ方向を向く。 するとそこには、純白の制帽を被った、不愛想そうな金髪の少女と。 金髪の少女の傍らに並び立つ、沙都子たちよりも一回り年下と見られる紫がかった髪の少女が立っていた。 「よく言うぜ。とっくに気づいてた癖によ、猿ヤロー」 初対面なのに、随分な物言いだ。 沙都子が他人事ながらそんな感想を抱いた少女が、リルトット・ランパード。 その隣に立ち、此方を興味深そうに見つめるのが、鈴原小恋。 それが彼女らの名乗った名だった。 □ □ □ 正直、その霊圧を感じ取った時、それなり以上に緊張を覚えた。 何故なら、その霊圧を知覚してまず脳裏を過ったのは。 見えざる帝国の主、ユーハバッハが定めた特記戦力。 藍染惣右介だったからだ。 ユーハバッハによって完聖体の力を奪われた今、戦闘になればまず勝ち目はない。 そんな相手が、降って湧いたように近隣に現れた。 そんな状況下で意識を尖らせないのは、リルトットから言わせれば間抜けもいい所だ。 (ま、とは言え……) 警戒は杞憂だったらしいけどな。 リルは目の前の孫悟空の実態を目にして、そう独り言ちた。 「へぇ~…小恋は今までずっとリルと一緒にいたんか」 「うん!おねえちゃんが、小恋とずっといっしょにいてくれたの!」 七歳のガキと意気投合する姿を見れば、警戒したのが馬鹿馬鹿しくなってくる。 受け答えからロリコンと言う訳ではなさそうだし、単純に精神年齢が近いのかもしれない。 というか、これ以上変態が現れられても困る。 「ロリコンじゃねーならガキに構ってないで、さっさと本題に入ろうぜ」 「ロリコンってなんだ?」 「………………」 変態でないのは結構だが、これはこれで接しにくいな。 そう考えていると、悟空を挟んで立つ少女が、ずれかけた場の雰囲気を戻す。 「悟空さん、急いでいるのでしょう? 逸れた仲間が危険な目に遭っているのでしたら、早く行って差し上げませんと」 そんな北条沙都子の理知的な物言いは、リルにとって微妙に違和感を覚えるものだった。 霊圧の大きさは疑いようもなく普通の人間の子供のそれだ。 自分が今まで面倒を見てきた鈴原小恋と同じ。死神の平隊士にも及ばない。 にもかかわらず、態度はまだ十の歳を数えた子供のそれではない。 ロリビッチの様に幼さから事態をよく理解していない訳でもなく。 むしろ正確に殺し合いという状況を理解したうえで、楽しんでいる様にも思えて。 どうにも掴みどころがなく、その立ち振る舞いは不気味ですらあった。 (妙な二人組だな) 掴みどころがないという点では、沙都子の隣に立つメリュジーヌもそうだ。 沙都子は流魂街の子供程度の霊圧しかないが、メリュジーヌに至っては霊圧を感じない。 にも拘らず、沙都子の言ではボディーガードには十分すぎるくらい強いという。 同行者の背後に佇み、口数が極端に少ない彼女の素性は沙都子に輪をかけて分からない。 まるで、少しでも所作を記憶されないようにワザと何もせず振舞っているようだ。 (ま、オレにとっちゃどーでもいいか) 妙な点は他にもいくつか見受けられたが。 彼女達は殺し合いに乗っていないといい、事実何か仕掛けてくるようには見えない。 悟空の事を警戒しているのかもしれないが、ならわざわざ刺激して一戦交えるのも徒労だ。 リルにとっては自分の安全が第一。相手が自分から大人しくしてくれるならその方がいい。 自分は探偵ではないのだから。藪をつついて蛇を出すのは他の奴がやってくれ。 脳内でそう結論を出し、沙都子たちのスタンスに思考を割くのをいったん中断する。 (ロリビッチの世話役は目途がついたし、次はテメェの身の振り方も考えるか…) 目の前の男はどう見ても首輪を外せるような技術があるとは思えないが。 少なくとも、小恋を押し付けるに足る善性と腕っぷしはあると見受けられる。 となれば、後はリル自身の動向だ。 このまま悟空達と一緒に行動するか。 それとも、単身で身軽に首輪を外せる技術者を探すかの二者択一。 選択肢が浮かんだ当初は、後者を選ぶつもりだった。 押し付け先が見つかった以上、お守りを続ける義理も必要も無いからだ。 それよりは、手分けして首輪を外す方法を探す方が合理的。 彼女のそんな考えは、悟空が次に発した言葉で大きく方向転換を成すことになる。 「……おめえら、ちょっとこれ、首に巻いてくれ」 重苦しい、声だった。 その声が響くと同時に、リルたちと沙都子達の手元に、タオルが放り投げられる。 どこかの施設の備品と思わしき、古ぼけたタオルだった。 特に怪しい所は見受けられない。 それを投げ渡して、悟空は真剣な顔で首の回り…首輪を覆う様に巻くことを促してくる。 リルはそれを見ると、特に異を示す事なく巻き付けて。 そして、悟空の雰囲気が変わった事に戸惑っている様子の小恋に近づき、彼女の首にも巻いてやる。 沙都子達も、怪訝そうな顔をしながら言うとおりにした。 「…よし」 確認後短い呟きを漏らし、悟空は自身のランドセルから1枚の紙を取り出す。 そして、もう一度沙都子達の首にタオルがしっかりと巻かれているかを確認してから。 短い文章が書かれたその紙を、リル達に提示した。 『首輪を外せる方法が分かった』 文面を見ると共に、リルの目が僅かに見開かれる。 一瞥してみれば、沙都子の方も似たような表情をしていた。 ぽかんとしているのは、ひらがな以外読めない小恋だけだ。 「………当然、お話はして下さいますのよね?」 僅かな沈黙の後。 詰問する様に、沙都子は紙を懐に仕舞いなおした悟空に尋ねた。 リルも無言のまま頷いて、小恋が口を挟まない様に口を抑えて、返答を待つ。 「おう、勿論だ。けど、すぐっちゅう訳にもいかねぇ。そういう約束だかんな。 ………だからまずカルデアって場所で仲間と合流して、それから話すことになる」 悟空達が得た首輪に関する情報は、文字通り対主催にとっての切り札になり得る物だ。 同時に、悟空達がどれほどの情報を知っているかを乃亜が把握すれば。 最悪の場合その時点で、口封じに首輪を爆破されてもおかしくない。 そうでなくともマーダーに計画を知られ、乃亜に密告されれば、先回りで対処されてしまうかもしれない。 となれば、軽々に流布できる情報では決してなかった。 ───もし、今後逸れたり、僕の身に何かあった時は、君の判断で伝えてくれ。 そうネモは言っていたが。 結局の所、彼の補足が無ければ説得力のある話をするのは難しい。 何故なら。 (考えてみりゃネモが書いてる以上の事を聞かれたら、オラじゃ何も答えられねぇ) ブルマならまだしも、何一つ知識のない自分が上手く説明できる気はしなかった。 要領を得ない話とならざるを得ず、何か尋ねられればもっと答えられる筈もない。 それに沙都子達を疑うわけではないにせよ、見極める時間が欲しかった。 脱出計画を明かすに足る者であると、判断するに足る時間が。 (……要は内容を聞かせてほしかったらついてこい、って話か) 要求を聞いて即座に、リルは要点を把握した。 まず仲間と最優先で合流を目指して、その過程で自分達が信用できる相手か測り。 お眼鏡に叶ってやっとこのうざい首輪を外す方法を教えてくれるという訳だ。 勿体ぶっているのは気に入らないが、勿体ぶるだけの情報を掴んでいるのだろう。 「───いいぜ、このロリガキとオレはお前と一緒に行ってやる」 即決だった。 自分の脇に控える鈴原小恋の口から手を離し、ぷは、と息をするのを聞きながらリルトットは返答を返した。 「おねえちゃん……これからも小恋といっしょにいてくれる?」 子供と言うのは大人の想像以上に大人の事を良く見ている物だ。 小恋は今迄唯一頼れる相手であるリルトットの事をずっと観察していた。 だから言葉にしないまでも、彼女が何となく自分と離れたがっているのではないか。 そう感じており、それ故に彼女はこの時リルにそう尋ねたのだった。 「あぁ。もう暫くは、な」 懐かれる様な事はした覚えはないし、こいつ絶対これまでの話の流れ理解してねぇな。 ドライな感想を抱きつつもリルは小恋の問いかけを否定することなく、ぽんぽんと頭を叩きながら肯定した。 「えへへ~……!ありがと、おねえちゃん」 頬に手を当てて嬉しそうにしながら、小恋は無邪気に笑う。 全く犬じゃああるまいし、何故ここまで見ず知らずの相手に懐けるものか。 子供(ガキ)は能天気で羨ましい。 案外みのりちゃんとやらもこいつが誑かしたのかもな。そう考えずにはいられなかった。 「────おし、オメェら二人は一緒に来るって事でいいんだな」 「うん。小恋、おねえちゃんといっしょにいく!」 小恋がリルの代わりに元気に返事を返して。 温度差はあるものの話は纏まったと悟空は認識した。 となれば後は、残るもう二人。 悟空は沙都子とメリュジーヌの方へと向き直り、もう一度尋ねる。 「そんで、オメェらの方はどうする?」 悟空の予想では彼女達も着いて来るだろうと、そう思っていた。 だが、彼女等の返事は、彼が予期した物とは違うモノとなる。 向き直られてから一拍の時を置いて。 ────申し訳ありません。我々は直ぐにはいけません。 北条沙都子は、孫悟空にそう告げた。 □ □ □ 「なぁ、どう思う?」 「何がだ?」 「惚けてんなよ猿野郎、北条沙都子達のことに決まってるだろーが」 情報交換はつつがなく終わった。 状況がひっ迫しているため詳らかに語り合う事は叶わなかったが。 それでも信用に足る人物と、危険人物の情報は共有することができた。 信用に足る人物として、悟空はネモと悟飯の名前を。 沙都子の方はエリスや写影達の名前を挙げた。 逆に危険人物として悟空はカオスや長い銀髪に黒衣の女(リーゼロッテ)、場合によってはフランの名前を。 沙都子は赤髪に隈取の少年や、桃色の髪をした巨人の少女、 そして、他人に変身して他の参加者を襲い、不和をばら撒く参加者の存在を提示し。 リルトット達はこれまで碌に参加者に出会っていないため、余り貢献できなかったものの。 近場で大きな霊圧が激突していたことを、その代わりとして伝えた。 後は、褐色の少女と、銀の髪にこれまた喪服を来た女が危険だとも。 一連の情報交換はつつがなく進み、特に何か起こる訳でも無く沙都子達を別れたのだが… 「んー…少しひっかかる所はオラもあったけどよ、別に何もしてこなかったしなぁ」 「お前の息子からお前の事を聞いてたんなら、猫を被ってた線も無い訳じゃねぇだろ」 沙都子の挙動は確かにリルトットが見ても怪しい所は見受けられなかった。 だが、彼女の背後に控えていたメリュジーヌは別だ。 借りてきた猫の様に大人しく、発言も少なかったが。 視線だけは孫悟空の事をずっと注視し、挙動を警戒している様な節さえあった。 話が確かなら孫悟空とメリュジーヌは今この場が初対面であったにも関わらず、だ。 もし、単純に強大な力を持つ悟空を畏怖していた、と言う話ならそれで済むが…… (妙な所があったのはメリュジーヌだけじゃねぇ。あのエセお嬢も同じだ) 北条沙都子も立ち振る舞いとは別の視点で、違和感を持つところが無い訳ではなかった。 彼女の霊圧は大きさこそ流魂街のガキと同程度の大きさしかなかったが。 質の観点から言えば、普通の人間が放つ物とは違っていたのである。 (発信源が弱くて断定はできねぇが、それでもあの霊圧には……) 虚(ホロウ)と似た性質を感じた。 無論彼女が銀城空吾の様な完現術者(フルプリンガー)と言う訳では無いだろう。 しかし経験か能力か…何方かが過去に接点を持っているとしてもおかしくはない。 (──とは言え、何か訳アリでもイコールそれがマーダーって話にゃならねぇか) 痛くない腹を探られるのは誰だっていい気はしない。 リルだって、自分が滅却師である事は明かしていないのだし。 北条沙都子が腹の内を明かしていないからと言って危険人物だと判断するのは勇み足か。 少し違和感があったといっても違和感止まりで、断定できる要素は何一つないのだから。 「それに、乃亜に尻尾振ってるマーダーなら…… 首輪を外す方法が分かった奴を放って置くのも考えにくい。今は保留にするしかねぇか」 もし沙都子達がマーダーなら、首輪を外せるという参加者を放って置くのは考えづらい。 首輪を外されれば殺し合いそのもの、ひいては優勝して得られる権利が成立しなくなるし。 乃亜の対応次第ではとばっちりを受ける可能性もゼロではないからだ。 それなのに、沙都子達は悟空に襲い掛かろうだとか、そういう挙動は見せなかった。 その事から考えれば彼女等は本当に対主催であるか。 マーダーであっても生存優先で、戦意の薄い者たちなのかもしれない。 何より。 ────私達は梨花を探さなければなりませんから、一緒には行けません。 あの時の、北条沙都子の。 哀切を帯びた表情は、嘘ではない様にリルトットの目には映ったのだ。 だから、彼女が選んだ結論は保留。 北条沙都子達を信用はしないが。過剰に疑ってかかることもしない。 そう言う話で、一先ずの決着はついた。 「誰も彼も疑ってかかるのはしんどいしよ。それでいいんじゃねぇか?」 お前はもうちょっと疑えっつーの。 悟空の能天気な言葉に心中でそう毒づきつつ、リルはそれじゃあさっさと行くぞと急かす。 目の前の猿男のツレとやらが死んでしまえば、脱出計画も水の泡になるようだし。 さっさと合流し、地盤を固めたい所だった。 「おし、そんじゃあ悪ぃけど、小恋はオメェが背負ってくれるか?」 「………構わねぇが、トチ狂った馬鹿が襲ってきた時はお前が相手しろよ」 折角押し付け先が見つかったのに、結局お守りをする羽目になるのか。 そう考えつつも、リルが悟空の要請に異を唱える事は無かった。 肩を損傷した奴が背負うよりも自分が背負う方が、不都合が無い。 しかしここまで巨大な霊圧を内包する男に小さくない傷をつける女がいるとは。 自分と出会わないまま、どっかでくたばっていて欲しいものだ。 面倒な相手とは関わり合いになりたくない思いを膨らませつつ、リルは同行者の少女を担ごうとする。 その時の事だった。 「………おにいちゃん、かたのけが、だいじょうぶ?」 ここまで自分よりも大きなお兄ちゃんとお姉ちゃんが必死に何かを相談していて。 話に一向に入れなかった鈴原小恋が、声を挙げたのは。 彼女の視線は、血の滲んだ道着が巻かれた悟空の肩へと向けられていた。 「ん?まぁ…確かに痛ぇけど、放っておきゃその内治───いぢぢぢぢぢ!?」 幼い少女が怯えぬよう空元気を見せたが、直ぐに呻き、体を丸めてしまう。 そんな悟空を小恋はじっと見つめ、とてとてと可愛らしい歩幅で詰め寄り。 そして、朗らかな普段の彼女からかけ離れた、真剣な表情で悟空の肩の近くに手を添える。 「いたいのいたいの、とんでいけー」 そっと痛くない程度に傷口に手をやり、愛らしい響きで、お馴染みのおまじないを行う。 何故なら今の彼女は、ブラックマジシャンガールだから。 痛ましい目の前のお兄ちゃんの様子が不憫で、何かしてしてあげたいと思ったから。 お姉ちゃん達の難しい話に入っていく事ができなかった小恋も、役に立ちたかったから。 「ぶらっくまじさんがーるのおまじない…ちょっとは、いたくなくなった?」 そう言って小首を傾げて、少女は尋ねる。 その様を冷めた様子で、リルは見つめていた。 精神的な物なら兎も角、肉体的な傷がそんなまじないで回復するわけがない。 さっさと担いで出発するよう促そう。そう考えながら小恋に手を伸ばす。 それと殆ど同じタイミングの事だった。 孫悟空が、「おおっ!」と、驚いた様な声をあげたのは。 そしてするすると、巻いていた道着を取り払う。 「痛っ゛………ど、どうなってんだ……?」 まだ痛みは感じている様子だったが。 それでも彼の肩には劇的な変化が表れていた。 貫通し、風穴が空いたはずの肩の傷が塞がっていたのだ。 まだ傷口は痛ましく、痛みもある様子だったが、通常ではありえぬ回復だった。 それを見たリルはばっと小恋の方を向き、問い詰める。 「おい、どういう事だ」 「………?ぶらっくまじしゃんがーるのおまじないだけど」 「お前のまじないで怪我が治ったりするわけねぇだろ」 「でもみのりちゃんはこれだけでひゃくねんはたたかえるって」 「それはその女がおかしいだけだ」 「そんなこといわれても………」 困った様な表情を浮かべる小恋を前にして、リルは少し考えてから。 もう一度同じおまじないをやってみろと命じてみる。 特に断る理由もなく促されるまま悟空の怪我に向けて、小恋は再びおまじないを行った。 しかし、その効果は先ほどと比べるとかなり鈍い。その後も何度か試すが結果は変わらず。 貫通した肩の傷を癒すほどの目に見えた治癒効果は初回だけだった。 「んだよ。凄かったのは最初だけか」 「いやーそんな事もねぇぞ。まだ痛ぇけど、傷が塞がっただけでも大したもんだ! それに、疲れとかは大分マシになったしな!」 なははと笑って肩を回した後、また走った痛みに呻く悟空を眺めながら。 リルは己の記憶を辿っていた。 最初からこのロリガキが傷を癒せる井上織姫の様な能力者だったことは考えにくい。 本人の認識的にも、能力を隠していたとも思えない。 元々そう言った才覚がありこの異常な状況下で後天的に発現した可能性はなくもないが。 ここまでずっと一緒だったリルの目には、そういった兆候は見られなかった。 それに支給品は痴女ビッチに奪われているため支給品を使ったというのも考えにくい── と、そこまで考えて、一つの可能性に行き当たる。 「おい、お前。オレと会う前に道具かなんか使わなかったか」 「え?」 「支給品だよ支給品。元から怪我を治す力があったわけじゃないだろ」 「うーん……あ、そう言えば、ドーナツたべるまえに、へんなきのみはたべたよ? おいしくなかったから、ドーナツのほうがよかったけど」 そう、鈴原小恋が、リルトット・ランパードと邂逅する、その三分前。 その時に食べていたのが、彼女が今しがた見せた快癒の奇跡の原因だった。 チユチユの実という、偉大なる航路に伝わる実を口にして。 鈴原小恋は悪魔の実の能力者となっていたのである。 とは言え、支給品の説明書に書かれていたことは漢字が多かったため彼女には読めず。 口にしてからも自分が能力者になった自覚がなく。 霊圧の大きさはほとんど変わらなかったためリルも気づくことがなかった。 「変な木の実、ねぇ………次美味そうなモン見つけたら、ちゃんと話しとけよ」 リルの予想は正しかった。 しかし確認しようにも、支給品の説明書は金髪ビッチに盗られてそのままだ。 現状では確証を得る方法は何もなかった。 とは言え、ハッキリさせておかなければ困る話でもない。 安定性はまるでない上に、本人が能力の事をまるで理解していないが。 これで面倒を見るだけの利用価値は生まれたという訳なのだから。 それに、いざとなれば。 食いしんぼう(ザ・グラタン)の能力を行使し、自分がもっと上手く使ってやる事も──、 「えへへ…小恋、すごい?みのりちゃんちゃんがしったらほめてくれるかな」 「あぁ、またオラ達が怪我した時は治してくれっと助かるぞぉ」 はぁ、とため息を吐いた。 無邪気に笑う小恋を見ていると、何故自分だけが真面目にやっているのか。 そんな気分になって来る。 何時だって能天気で、無邪気で。たまに蠱惑的で。 一言で言って、扱いに困る。彼女はリルトットにとって、そんな少女だった。 「………無駄話してないで、さっさと行くぞ。腹減ってきたしな」 ここまで殆ど他の参加者との交流を絶ってきたが。 この孫悟空と言う男と、この男のツレと接点を持ったことはきっとマイナスではない。 後は勝ち馬かどうかを見極めるだけ。 そして、その見極めの為には、今のこの流れを断ち切るべきではない。 さっさと孫悟空の仲間と合流し、首輪の解除方法とやらを聞きたいものだ。 小恋の首根っこを掴んで、強引に担ぎ上げながら、リルはそんな風に思考を巡らせていた。 「おう!そんじゃあ行くか。ネモの奴なら、何かうめぇもん昼飯に作ってくれっぞ」 「しゅっぱーつ!」 ………叶うならば。 孫悟空のツレは、もう少し緊張感を持ってる奴であって欲しい。 あと、料理が美味いと良い。 リルトット・ランパードはそう願わずにはいられなかった。 【E-5/1日目/午前】 【孫悟空@ドラゴンボールGT】 [状態]:右肩に損傷(中)、ダメージ(小)、界王拳の反動(小)、悟飯に対する絶大な信頼と期待とワクワク [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2(確認済み)、首輪の解析データが記されたメモ [思考・状況]基本方針:殺し合いを止める。 1:首輪の解析を優先。悟飯ならこの殺し合いを止めに動いてくれてるだろ。 2:悟飯を探す。も、もしセルゲームの頃の悟飯なら……へへっ。 3:ネモに協力する。カルデアに向かいネモと合流する。 4:カオスの奴は止める。 5:しおも見張らなきゃいけねえけど、あんま余裕ねえし、色々考えとかねえと。 6:リルと小恋もカルデアに連れていく。脱出計画の全容を伝えるのはネモと合流後。 7:リーゼロッテを警戒する。 [備考] ※参戦時期はベビー編終了直後。 ※殺し合いが破綻しないよう力を制限されています。 ※SSは一度の変身で12時間使用不可、SS2は24時間使用不可。 ※SS3、SS4はそもそも制限によりなれません。 ※瞬間移動も制限により使用不能です。 ※舞空術、気の探知が著しく制限されています。戦闘時を除くと基本使用不能です。 ※記憶を読むといった能力も使えません。 ※悟飯の参戦時期をセルゲームの頃だと推測しました。 ※ドラゴンボールについての会話が制限されています。一律で禁止されているか、優勝狙いの参加者相手の限定的なものかは後続の書き手にお任せします。 【リルトット・ランパード@BLEACH】 [状態]:健康、銀髪(グレーテル)に対する嫌悪感(中) [装備]:可楽の団扇@鬼滅の刃 [道具]:基本支給品一式、トーナツの詰め合わせ@ONE PIECE、ランダム支給品×0~2 [思考・状況] 基本方針:脱出優先。殺し合いに乗るかは一旦保留。 0:悟空と共にカルデアに向かう。 1:チビ(小恋)と行動。機を見て悟空達に押し付ける。 2:首輪を外せる奴を探す。ネモって奴が有力か? 3:十番隊の隊長(日番谷)となら、まぁ手を組めるだろうな。 4:あの痴女(ヤミ)には二度と会いたくない、どっかで勝手にくたばっとけ。 5:あの銀髪イカレ過ぎだろ。 6:二つの巨大な霊圧に警戒。 [備考] ※参戦時期はノベライズ版『Can't Fear Your Own World』終了後。 ※静血装で首輪周辺の皮膚の防御力強化は不可能なようです。 【鈴原小恋@お姉さんは女子小学生に興味があります。】 [状態]:精神的疲労(中)、チユチユの実の能力者。 [装備]ブラック・マジシャン・ガールのコスプレ@現地調達 [道具]:なし [思考・状況] 基本方針:みのりちゃんたちのところにかえる。 1:おねえちゃん(リル)といっしょにいる。 2:おにいちゃん(悟空)といっしょにカルデアってばしょにいく。 [備考] ※参戦時期は原作6巻以降。 ※チユチユの実の能力者になりました。 ※カナヅチになった事を知りません、また、能力についても殆ど把握していません。 ※能力も発現仕立てなので、かなり未発達でムラがあります。 孫悟空たちと別れ、その姿が見えなくなってから数分後。 聖ルチーアの屋上へと戻ったカオスは、浮かない顔で沙都子へと問いかけた。 「おねぇちゃん……これで良かったの?」 カオスには、不安だった。 自分を超える強さを有する孫悟空が、首輪を外す方法まで知ったのかもしれない。 その可能性は、カオスを酷く動揺させた。 別れるまでは何とかポーカーフェイスを保ったが、心穏やかにはいられない。 それ故に、沙都子が選んだ判断の真意を求めたのだ。 そんな彼女に対して、沙都子は落ち着いた態度で考えを述べる。 「そうですわね。確かに、安穏と待てる状況ではない様です。 ただ……考えなしに妨害しようと襲い掛かっても、結果は付いてきませんわ」 あそこで孫悟空に襲い掛かった所で、沙都子達が得る物は何もない。 返り討ちにされるか、勝っても悟空が首輪を外す手立てを有している訳では無いからだ。 だから沙都子は、直接的な行動を起こさず、悟空達の状況の把握に努めた。 恐らく、次は無いだろう。悟空達の目には、今回の邂逅の時点で僅かに疑心の彩があった。 それを警戒して、沙都子は敢えて一姫やシカマル達の悪評を流さなかった。 もし沙都子が彼らを悪く言えば、沙都子自身が彼女等と出会っていた事が明白になる。 他人の姿を借りて人を襲う殺人鬼という架空の存在に押し付けるのには、都合が悪い。 そこまでやっても恐らく次に会う時は、沙都子がマーダーである事を認識しているだろう。 だから、次は無い。直接情報を得られるのは、きっと今回が最初で最後。 それでも、今回得た情報のカードを最大限有効利用すれば、勝機はある。 「悟空さん達は私達の悪評を知りませんでした。 となると、今迄行動した範囲はそう広くは無いのでしょう」 悟空の話から出た限られた情報から、推論を組み立てていく。 「そして、拡声器なんてモノを使われて、危険人物が集まりやすくなった場所の近く… カルデアと言う場所で待ち合わせているのも変ですわ。別に待ち合わせ場所を話していないとも思えませんし」 沙都子の見立てでは、悟空は頭の回転は決して悪い男には見えなかった。 そんな男が、予め逸れた際の合流地点を複数示し合わせておかないとは考えにくい。 にも拘らず、態々危険地帯の近辺であるカルデアを指定するという事は…… となれば、首輪解除にはカルデアという施設が関わり、そこでしか叶わない可能性がある。 もしそうであれば、カルデアと言う施設を破壊してしまえば、脱出計画は頓挫。 そうでなくとも、大いに停滞するはずだ。 「でも……」 だが、沙都子の立てた策略を聞いても、カオスの表情は晴れない。 結局の所、悟空が守っている限りカルデアは陥落できないのではないか。 勿論、肩に怪我を負っていた事から彼もこの殺し合いにおいて絶対ではないのだろう。 だがそれでも、他の対主催を協力され、守りを固められれば…… 自分とメリュジーヌだけではどうにもならなくなるのではないか。 そんな懸念が、彼女の思考回路を占領していた。 「えぇ、貴方の心配は分かっていますわ、カオスさん。 だから我々はもう一勝負、博打を仕掛けなければなりません」 カオスの懸念を見透かしたように、妖しい笑みを浮かべて。 沙都子は脳裏にある絵図を示しだす。 「簡単です。悟空さんにカルデアの守りを固められれば困るというなら…… 自分でカルデアの守りから離れて貰えばいいのです」 「どうやって?」 そんな方法があるのか。 さっぱり見当がつかないカオスに、沙都子は事も無げに告げた。 「孫悟空さんの息子である、孫悟飯さんを扇動して差し上げましょう」 彼等親子の強さは、この殺し合いでも群を抜いている。 少なくともこれまで出会った対主催で、彼等と並ぶ者はいない。 それが、メリュジーヌとカオスの見地だった。 という事は、彼等のうちどちらかがもし殺し合いに乗れば…… ────止められるのは、片割れだけという事になる。 「そして、そのための布石はもう打ってあります」 図らずも雛見沢症候群の投与は、親子で殺し合わせるのにうってつけの干渉だ。 孫悟飯を最低でもL4…叶うならL5の末期症状に罹患させ。 その上で、暴れまわるL5の悟飯を悟空と潰し合わせる。 悟空の話によれば今の悟飯より彼の方がずっと強いらしいが。 恐らく乃亜のハンデにより、実力は横並びにされているだろう。 それが、悟空の語った見立てだった。実に好都合である。 「彼等の拠点は分かっているのですから、親子で殺し合いをしている間に襲撃するもよし、 疲弊した悟空さんを暗殺するのも良し。叶うなら、彼の肩に大穴を開けた方ともコンタクトを取りたいですわね」 雛見沢症候群の末期症状の凄まじさは沙都子自身が身をもって理解している。 どんなに心を通わせた仲間でも、肉親でも、脳漿を弾けさせる事に躊躇が無くなる。 孫悟飯にH173を盛ったのは、我の事ながら数奇な巡りあわせだが、この気運を活かさぬ手はない。 「………危なく、ない?」 「ハッキリ言って、メチャクチャ危ないですわ」 一連の計画を聞いて、一先ずの納得を得たカオスだったが。 あの孫悟空の息子を扇動するというのは、沙都子も危険ではないか。 そう考えての指摘を、沙都子は即答で肯定した。 雛見沢症候群の凄まじさは百年の惨劇の中で飽きるほど体験してきたのだから。 暴走した悟飯の矛先が沙都子に向いたとしても、何らおかしくはない。 「だとしても、危ない橋でも渡らなければ、私達は勝てません 私達は高みから追われる側ではなく、高みに立つ悟空さん達を追う立場なのですもの」 紛れもなく、これから沙都子がやろうとしている事は大博打だ。 だがそれでも、此処を通さなければ優勝という空の玉座へと繋がる道は辿れない。 対主催も、マーダーも、例外は無く。挑まぬ者に、奇跡は微笑まない。 雛見沢で、百年のカケラ巡りを追体験した今。 それが彼女の矜持であり、信仰だった。 「もう一度、尋ねましょう───ついて来てくれますか?カオスさん」 雛見沢の新たなるオヤシロ様として、瞳を紅く煌めかせ。 禍神の依り代となった少女は、笑みを浮かべて天使を誘う。 例え天使の答えが決まっているとしても、自分で選択させるために、彼女は問いかけた。 悟空に会う前の様に問いかけられた天使は数秒の間、沙都子の紅い瞳をじっと見つめて。 こくり、と。小さく、だが確かに意志が籠った頷きを見せてから、口を開く。 「メリュ子おねぇちゃんとこのまま会えたら…… 直ぐに悟空お兄ちゃんに似た生体反応のサーチ、始めるね」 告げる声色に迷いはもう感じられず。 本当に主に使える御使いであるかのように。 混沌の名前を冠する、シナプス最新鋭にして、最高峰の第二世代エンジェロイドは。 尚も地蟲の少女の命運を護る剣となる事を選び続ける。 「任せて、おねぇちゃん」 【E-6 聖ルチーア学園/1日目/午前】 【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に業】 [状態]:疲労(小)、梨花に対する凄まじい怒り(極大)、梨花の死に対する覚悟 [装備]:FNブローニング・ハイパワー(4/13発) [道具]:基本支給品、FNブローニング・ハイパワーのマガジン×2(13発)、葬式ごっこの薬@ドラえもん×2、イヤリング型携帯電話@名探偵コナン [思考・状況]基本方針:優勝し、雛見沢へと帰る。 0:今度こそメリュジーヌさんと合流する。その後悟飯さんを探し、扇動する。 1:メリュジーヌさんを利用して、優勝を目指す。 2:使えなくなったらボロ雑巾の様に捨てる。 3:カオスさんはいい拾い物でした。使えなくなった場合はボロ雑巾の様に捨てますが。 4:願いを叶える…ですか。眉唾ですが本当なら梨花に勝つのに使ってもいいかも? 5:メリュジーヌさんを殺せる武器も探しておきたいですわね。 6:エリスをアリバイ作りに利用したい。 7:写影さんはあのバケモノができれば始末してくれているといいのですけど。 8:悟空さんと悟飯さんは、できる事なら二人とも消えてもらいたいですわね。 9:悟空さんの肩に穴を開けた方とも、一度コンタクトを取りたいですわ。 10:梨花のことは切り替えました。メリュジーヌさんに瑕疵はありません。 [備考] ※綿騙し編より参戦です。 ※ループ能力は制限されています。 ※梨花が別のカケラ(卒の14話)より参戦していることを認識しました。 ※ルーデウス・グレイラットについて、とても詳しくなりました 【カオス@そらのおとしもの】 [状態]:全身にダメージ(中)、自己修復中、アポロン大破、アルテミス大破、イージス半壊、ヘパイトス、クリュサオル使用制限、沙都子に対する信頼(大)、メリュジーヌに変身中 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品2~1 [思考・状況]基本方針:優勝して、いい子になれるよう願う。 0:沙都子おねぇちゃんを守る。メリュ子おねぇちゃんが待ってる場所に行く。 1:沙都子おねぇちゃんと、メリュ子おねぇちゃんと一緒に行く。 2:沙都子おねぇちゃんの言う事に従う。おねぇちゃんは頭がいいから。 3:殺しまわる。悟空の姿だと戦いづらいので、使い時は選ぶ。 4:沢山食べて、悟空お兄ちゃんや青いお兄ちゃんを超える力を手に入れる。 5:…帰りたい。でも…まえほどわるい子になるのはこわくない。 [備考] 原作14巻「頭脳!!」終了時より参戦です。 アポロン、アルテミスは大破しました。修復不可能です。 ヘパイトス、クリュサオルは制限により12時間使用不可能です。 ルーデウス・グレイラットについて、とても詳しくなりました。 【チユチユの実@ONE PIECE】 超人系の悪魔の実。 食す事でカナヅチとなる代償と引き換えに、生物のあらゆる傷を治癒させることができる。 この治療能力は肉体損傷だけでなく、精神ショックも回復することができる。 他者から治癒力を提供してもらい、別の者の治癒にも使うことができる他、 切断された部位を治すこともできる(ただし、縫い合わせる必要がある)。 涙を流す事で、一時的な超回復の効果を持つ花を咲かせる事等もできるが、 今回食べた小恋は、上記の能力を何一つとして認識していない。 096 命も無いのに、殺しあう 投下順に読む 098 闇の胎動 時系列順に読む 092 さすらいの卑怯者 孫悟空 111 竜虎相討つ! 091 足りない箇所を埋め合う様に リルトット・ランパード 鈴原小恋 088 悪の不在証明 北条沙都子 104 僕は真ん中 どっち向けばいい? カオス
https://w.atwiki.jp/in-media/pages/189.html
Aioria (アイオリア) / 所属:Loop Ash Member Vo. sarino (未散プロジェクト→Aioria→Shelly Trip Realize→TINC) Gt. 未散 (L yse nore→未散プロジェクト→Aioria→S to M→MASK) Gt. ミサ (嘆キ使徒→Da vidノ使徒 aL→Klein Kaiser→Aioria→バビロン) Ba. 和矛 (Clair de Lune→Aioria→S to M→MASK→ガイズファミリー) Dr. 大城 (未散プロジェクト→Aioria→S to M→D) Ba. KAZU (RESEARCH→Aioria→蜉蝣) History 01年7月14日 - 初ライブ。 02年4月05日 - 池袋CYBERにて初ワンマンライブ。 02年8月02日 - 渋谷ON AIR WESTワンマンを以て解散。 Discography DemoTape 光彩の沈殿 蒼月の陰影 瑠璃蝶 瞬き… Album ~煌め逝く瞬間~ Video 海賊版 怪族版 V.A. Shock Edge 2001 Other 関連アーティスト JILS 関連サイト グラスレのAioriaページ インタビューat VISUALROCKS.COM
https://w.atwiki.jp/corian/
はじめましてのこんにちは こんばんは、はじめまして 退院祝いでおそばが届いたんです これがまたおいしい~♪ お取り寄せっていいかもなんて急激に思いたちまして ブログを作ることにしました 時々アクセスしてくださいね
https://w.atwiki.jp/briana/
楽しいブログを☆ 評判の焼きおにぎりを 取り寄せたので 仲間と楽しみました(=v=)ムフフ♪ かなり満足でした~! かなり美味しかったんで ちょっと自慢したい気分です笑
https://w.atwiki.jp/oper/pages/2499.html
<<第二幕>> OUVERTURE <第1場> 地獄、アルチェステは岩に鎖でつながれ 二人のフリアイに責められている。 おどろおどろしいシンフォニアとともに幕が開く RECITATIVO ERCOLE (棍棒を持ち、ケルベロスを鎖につないで) 動揺しても無駄だ、無駄だ 邪悪な叫び声は喉のうちにとどめておけ 息は貪欲な腹のうちに止めておけ この岩に、強固な鎖で 足をくくりつけてやる (ケルベロスを地の裂け目に放り込み、 大きな煙と炎が巻き上がる) ALCESTE ヘラクレス、ヘラクレス? ERCOLE アルチェステ様? ALCESTE 私の苦しみを哀れんで ERCOLE あなたのため私はこの燃えさかる場へ降りてきたのです シンフォニアが続く。ヘラクレスは地の裂け目へ降り、 アルチェステを責めていたフリアイに 棍棒で殴りかかる。 フリアイたちは驚いて宙へ飛んで逃げる。 ヘラクレスはアルチェステに断崖を登らせて 地獄の外へ連れ出す。 細い道が閉じて、そのあとゆっくりと消えていく SINFONIA ERCOLE ほら、アルチェステ様、 地獄の束縛より放たれました 私についてきてください、お望みならば、 このような恐ろしい場所から 日の光のもとへ戻り生き返りましょう わが父、崇高なる雷神の これは高き天命です アルチェステ様はアドメート王のもとへ帰れとの ALCESTE 慈悲深き解放者よ ERCOLE 自由の身の王妃よ ご主人のもとへ帰りましょう ALCESTE 死から生へ私は蘇るのですね ARIA 彼は私にまみえたとき どんなに喜んでくれるでしょう 愛するわが夫は いとしい人は 彼はこう言ってくれるでしょう わが甘く愛らしき望みの人よ わが心の憧れよ あなたをこの胸に抱きしめよう、と (退場) <第2場> 庭園、アンティゴナとオリンド RECITATIVO ANTIGONA それで、私は何が望めるのかしら もし私の魂をすり減らすほど苦しめている 美しい憧れのかたが この胸より遠くに離れたら (ああ、もう逃げてしまったの?) ORINDO 悩まないでください、美しきかた、 あなたの望みには、千人の心が 従うことでしょう 私がまずあなたを愛してしまうように ANTIGONA 私を愛する?それはないわ! ORINDO なんと頑なな!なぜ? (彼女を愛撫しようとする) ANTIGONA そのずうずうしい手を引っ込めて ORINDO なんと厳しいことを? ANTIGONA あつかましすぎるわ! ORINDO あなたの美しさのせいです ANTIGONA 無礼な人! あなたは愛を求めて、軽蔑に出くわすことになるわ ARIA ORINDO 美しい人よ、怒らないで 私にできることはないだろうか あなたが私から心を奪ったのならば 私の想う人を 私の憧れを変えるなんてできない 愛が駆り立てるのだから <第3場> 肖像画を手にしたトラジメーデ 前場よりアンティゴナとオリンド RECITATIVO TRASIMEDE 美しきかた、ここでお会いできたとは喜ばしい ANTIGONA 殿下、あなたの高貴なご好意に 感謝しております TRASIMEDE 私の美しすぎる炎よ、 あなたは私の苦しみの甘美な原因だ ANTIGONA どなたにお話しなの? TRASIMEDE 愛する人に ANTIGONA その絵のおかた? TRASIMEDE いえ、いえ、私が見つめているこのひとに ああ、ほかのものなど死んだようなもの ORINDO なぜ彼女が私を嘲ったか、いまわかった 王子を愛していたとは、私の愛になど目もくれぬわけだ TRASIMEDE そう、そう、あなたが (アンティゴナを見つめながら) ため息をつくその愛らしさををみるほどに、 私の魂は燃え上がるのだ 絵の中の女に 私の悲しみをこうも慰めてくれることを望めるか? アンティゴナよ地に還れ (彼は絵を投げ出し、オリンドは 他の者が気づかないうちに拾い上げ退場する) あなたに、あなたに私は夢中なのだ 私の眼を照らす輝き 愛らしい生身の姿 本当にいとしいアンティゴナ ANTIGONA 正気に戻られるまで、おいとまいたします TRASIMEDE 待ってくれ、私のアンティゴナ ARIA すぐにあなたのもとを離れよう 私の愛しき憧れよ だがこのわが心はあなたとともにあるのだ ああ、覚えておいてくれ、苦痛のうちに生きている私を いとしい人よ そしてあなたのため強烈な情熱に燃えている私を (退場) <第4場> RECITATIVO ANTIGONA (ひとりで) トラジメーデは私のために苦しんでるわ、ああ! でも彼を愛せないのなら 私はどうしなければならない? 私の心が変わらず向かうのはただひとりだけ、 そのひとはアドメート、彼を愛するため私は生きている ARIA 山の、草原の、森の中を 獣の、野獣のあいだを 私は愛するひとの後を追い続ける 私の愛する人が 私の苦しみを哀れんでくれなくても 彼のためなら喜んで私は死ぬわ (退場) <第5場> アドメート、肖像画を持ったオリンド RECITATIVO ORINDO 陛下、トラジメーデ様が夢中になったもとについて お知りになりたがっていらっしゃいましたが 私は陛下に喜んでいただこうと考えを思いめぐらし、 王子が信奉していたものを探し当てようとしました。 そして彼の後を追い、ついに突き止めました。 これだったのです (アンティゴナの肖像画をアドメートに渡す) 彼が恋焦がれる女の似姿です 彼はこれをアンティゴナと呼んでいます 彼女が死んだと思っていて、いまも生きていればと願っています ADMETO どうやってわかったのだ? ORINDO 彼は悲しみのうちに沈み 「アンティゴナよ、地に還れ」 と言いながら、その絵を投げ捨てました 私はそれを見つからないように拾い上げ、ここへ来たのです ADMETO この見慣れぬ絵の顔は 彼女よりもずっと美しい これはアンティゴナではない、トラジメーデから 以前に彼女の絵をもらっておるが ORINDO おそらく、これは別の美女で その者の名もアンティゴナなのでしょう ADMETO こんな美しいものを捨てたのか? オリンドよ行け、王子を 今までと同じように見ておれ 彼についてなにか判ればもどってこい ORINDO 仰せの通りに (退場) ADMETO どこへ私を導くのだ 空虚な想いよ! アルチェステのもとへ返ってくれ 影の中にいとしい日の光を 思い起こさせてくれ そう、還してくれ、 天の統治者の無敵なる息子(ヘラクレス)よ 私に還してくれ、ああ、 私の宝、アルチェステを わが崇める人を ARIA 消え去れ、想いよ 残酷にも 私をこうも 苦しめたいだけなら たとえもし、そうできるとしても あの人は還してほしい おおいな喜びを 昼も夜もあたえてくれたあの人は <第6場> アドメートは登場しようとして アンティゴナとメラスペに出会う トラジメーデは隅で見ている. RECITATIVO ANTIGONA あそこに私のとてもあがめる人が MERASPE 彼にあなたのことを明かしましょう ANTIGONA 行くわ (王の足元にひざまずく) 陛下、運命のお導きでしょうか 卑しき者ですが敬礼させていただきます 私は宮殿の庭で この花の世話を任された者でございます ADMETO 立ちなさい、美しい人よ あなたにふさわしい仕事ではないか (彼女を立たせる) ANTIGONA はい、身に余る 身に余る光栄です、陛下 (アドメートは肖像画を見てから彼女を見る) TRASIMEDE なんてことだ!王の腕のうちに 私のいとしい人が! ADMETO あなたは何者なのか? ANTIGONA 私はロシルダとよばれています。 この羊飼いの娘です (メラスペを指差す) ADMETO この絵を知っているか? ANTIGONA ええ、陛下、トラジメーデ様のお手にあるのを見ました これは殿下が狂おしく想っていらっしゃるかた アンティゴナ様で、殿下は亡くなられた彼女の運命を 悲しみ、ため息をついていらっしゃいます ADMETO なぜおまえはアンティゴナのことを話す? ANTIGONA いくらか知っておりますので話しています ADMETO おまえは会ったのか? ANTIGONA トロヤの岸辺で、かなり昔のことですが、 そこへ足を運び、あの不幸なかたにお会いして 感嘆いたしました ADMETO どうしてトラジメーデが彼女に熱を上げていると 知っている? ANTIGONA しばしば私をアンティゴナとお呼びになるのです たぶん私がその絵に似ているから。 そして彼の情熱と苦悩をあらわにするのです ADMETO なんと?ああ、トラジメーデよ おまえの罪がわかったぞ おまえの情念はあらわになり おまえのまやかしが解った アンティゴナに惚れ込んで トロヤから別な女の絵を持ってきて 私を欺いたのだな ANTIGONA ああ、なんてことかしら! TRASIMEDE 私がさっき投げ捨てた絵のせいで 私のまやかしが暴かれた なんとか王からあれを盗み出すしかない (退場) ADMETO もう至福の楽園の空気を吸っているのなら、 アンティゴナよ私の犯した過ちを許してくれ 愛の法廷に私を恩知らずだと訴えないでほしい トラジメーデに騙されたのだから ANTIGONA ああ、ひどい人! ADMETO アンティゴナは死んだと思うか? ANTIGONA 彼女は戦いのさなかに 宮中で敵の剣により殺されたのです でももしここに彼女が生きていれば、いま陛下は独り身ですし 彼女と約束した結婚をお挙げになりますか? ADMETO どうするかはわからない (退場) ANTIGONA どうするかはわからない? そのくらいしか私を愛してなかったの、裏切り者! MERASPE 王女様 なぜあなたのことを明かさなかったのです? ANTIGONA まだその時ではないのよ MERASPE 遅らせれば、おそらくあなたに不利になりますよ? ANTIGONA 苦悩にどっぷり浸かった海で メラスペ、私にはすでに希望が見えているの ARIA 数多くの苦悩に押し潰されそうになって 私はしばしば自分に言ってしまう もう生きていけないわ、惨めな恋人よと 愛はそうだと認めるのではないかしら 苦しみが心から去るのは さすらう魂とともにだけだと、言っているのだから (退場) <第7場> 森、ヘラクレスと戦士の服を着て男装したアルチェステ RECITATIVO ERCOLE いつまで、王妃よ この戦士の服を着ているのですか ALCESTE ヘラクレス、私の心のうちの 秘密をあなたに明かしておきます この服を私が着るのは 愛への嫉妬のせいだとわかってください あなたも見てよくご存知のとおり 私は夫を熱愛していたのだから あなたの無敵の手のおかげで 地の底から光のうちへ戻ったいま 夫の心のうちで、私の死により彼の愛が 死んでしまったか探ってほしいのです ERCOLE 私を信じてください、陛下はあなたのなされたことを悲しみ、 常にあなたの名を呼んでいます ALCESTE 彼が私のために泣いてくれるなら 彼は最高の夫だと やもめのまま 苦しみのうちで 妻のため泣いてくれたのねと言います ERCOLE ああ、あなたが現れれば、あなたを見て直ちに 陛下の心に突然喜びが生まれ、 唇には笑みがこぼれるでしょうに ALCESTE ええ、ヘラクレス、私より先に 宮殿に行って下さい そして、地獄の道を私を探して歩いたが 無駄だったと、私は見つからなかったと言ってください。 ERCOLE そんな悲しい知らせでは 陛下は死んでしまうかもしれませんよ ALCESTE そのときは直ちに夫を助け 生き返らせます ERCOLE それがあなたの望みならば 行きましょう、アルチェステ様、おっしゃる通りに ALCESTE 私は少しあとに行きましょう ARIA 無慈悲なアレクトのような嫉妬の心よ おまえは私とともに地獄から出てきた そしてこの心を苦しめるため 私に、胸の内に力ずくで入り込んだ おまえを胸から追い出したい でもそんな力が私にはない おまえの毒を試さない者は ああ、愛とは何か知らないのよ (退場) <第8場> アドメートひとり RECITATIVO ADMETO この孤独の苦しみは 他の心労などよりはるかにつらい 内なるわが悲しみにはけ口を与えるには アドメートよ、どうすればよい? 夜の闇の中で 他のことをすべて忘れても おまえの魂は二重の炎に苦しめられる 運命はおまえを非難する、 死んでしまい、いまは楽園にいる 二人の美女の恋人であることを 愛する人を見つけるため どこへ足を向けるのか? 見つけたとしても、誰が苦しみからおまえを解放してくれるのか?ああ、もしアルチェステを抱きしめるなら それは、アンティゴナを侮辱することになる。私の心は、 苦しむことに常に慣れてはいるけれども これはあまりに辛い 正義なる天の神々よ この苦しみに満ちた人生を救いに来てくれたのなら 私の悲しみをもう終わらせてくれないか アドメートよ、どうすればよい? ARIA ああ、そうだ、私は死のう そうすれば 生きていては足りないこの心を 分かつことができるだろう 一人の美女ともう一人への 二重の愛は 二重の炎で燃えさかる 松明のようなもの (退場) <第9場> アンティゴナはトラジメーデとその護衛に 無理やり連れられている RECITATIVO ANTIGONA 私をはなして、ならず者 あなたは獰猛な海賊か、凶悪な盗賊を まねてるみたいなふるまいだわ! TRASIMEDE いとしい人、 あなたがアンティゴナに 似ているせいなのだ 私が悪事や非礼をしているのではない ANTIGONA これがアンティゴナに対してする 愛と誠実さなの? TRASIMEDE あなたの言うとおりだ、私が間違っていた! ただ似ているというだけで 不誠実になってしまうのか? ロシルダ、落ち着いて、気分を害したのなら 私のした罪を改めます。 (護衛はアンティゴナを放し、彼女は引き下がる) <第10場> トラジメーデのもとへ小姓がやってきて 肖像画を差し出す。アンティゴナは隅にいる RECITATIVO TRASIMEDE これが宮殿の戸棚から わたしのためにおまえが 盗み出してくれた絵だな? だが、なんだこれは (肖像画を見る) わが愛するアンティゴナのものじゃなくて、 王の絵じゃないか、 馬鹿者が!宮殿に帰して来い! (小姓は王の肖像画を持って去るが、 おもいがけず落としてしまう) 運命は私に 愛する人の絵を与えることさえ拒否するのか ARIA 不幸のもとに生まれたものは 平穏も安息も 決して見つけることができない 常に災難に会い 決して幸福をみつけられない しゃべろうが黙っていようが (退場) <第11場> アンティゴナひとり、あとからアルチェステ RECITATIVO ANTIGONA 召使は大慌てだったから うっかりアドメートの絵を落としていったわ 小さくない幸運だわ 絵が私の手にはいるなんて 私の心に刻み込まれた すてきなひと すてきなアドメート、私の崇める顔! ALCESTE すてきなアドメート?あの女は誰? なんてことを言ってるの? ANTIGONA 愛の神は、私がどんなにあなたを愛してるか知っている 崇める人、私があなたにキスするままにさせて 愛する容貌よ、もう死んでしまいそう ALCESTE このひとは 私の夫の王の絵にむかって 私を死なせそうなくらい呻いている ANTIGONA 誰が私を見てるの? ALCESTE あなたの声を聞きとめた 戦士です ANTIGONA 愛に傷ついている者は、こんな風に話すのよ ALCESTE 耐えるのよ、私の心! ああ、教えてください、 その顔の人を愛しているのですか? ANTIGONA ええ、愛しているの、そのとおりよ 辛い定めにより 彼には拒まれたけど いつの日か運命が 彼を夫として授けてくれればと願っているの ALCESTE そんな!あなたはどなたですか? ANTIGONA 私のことを 教えることは何一つできません あなたには 私は宿命と運命のなぐさみものだとだけ申し上げましょう ALCESTE どこにお住まいですか ANTIGONA 宮殿に ALCESTE (でもこんな人見たことない) ではお住まいにお帰りください ANTIGONA さようなら ALCESTE お気をつけて、いえ、 待って、教えてください あなたはテッサリアの王を愛しているのですか? ANTIGONA 私は彼のことで胸がいっぱいなの ALCESTE 王を夫にしたいと? ANTIGONA これ以上お尋ねにならないで、もう言えませんわ ARIA 私の運命はゆらめく 空の星が ふるえまたたくように ときおり暗くなったとしても、すぐまた 光を放ちながら より美しい姿を現すの (退場) Scena XII RECITATIVO ALCESTE これが、自分の命を捧げようとした あのひとが私に 持ち続けてくれた信義なの? 最低の不誠実な王、ひどい夫! いや、なんてうわごとを言ってるの、アルチェステ? たぶんあの女は愛する人の絵を盗んで 私に盗んだことを隠すために そういうふりをしていたのよ ARIA もうすぐわかるでしょう 崇める人が 心変わりをしたのか まだかわりなく 以前いとおしんでくれたように 私をいとおしんでくれるかは そしてもし、彼が 私の愛をもてあそぶなら そんな心ない仕打ちを受けても 変わることなく 私は彼のことを愛しましょう ATTO SECONDO OUVERTURE Scena I Inferno, nel quale si vede Alceste incatenata ad un sasso, e tormentata da due Furie. Si apre la Scena al suono di orrida Sinfonia. RECITATIVO ERCOLE (con Clava, che conduce Cerbero incatenato.) In van ti scuoti, in vano, Chiudi nelle tue gole i rei latrati; imprigiona i tuoi fiati nell ingordo tuo ventre! In questi sassi, tra due ferri, io t incateno i passi. (Getta Cerbero nella voragine dalla quale forte quantità di fumo, e fiamme.) ALCESTE Alcide, Alcide? ERCOLE Alceste? ALCESTE Pietà de miei tormenti. ERCOLE Per te discesi in queste soglie ardenti. Segue la Sinfonia; Ercole discende nella voragine, percuote con la clava le Furie, che tormentavano Alceste, le quali impaurite fuggono a volo per l aria, e la conduce fuori dell inferno, facendola montar seco per le rupi; si chiude la gola, e poi così tardamente sparisce. SINFONIA ERCOLE Ecco Alceste spezzati i tartarei legami, seguimi, se tu brami da sì tristo soggiorno ritornar ravvivata ai rai del giorno. Del supremo Tonante mio genitor quest è l alto decreto, perchè Alceste ritorni al Rege Admeto. ALCESTE Liberator pietoso. ERCOLE Regina liberata, ritorniamo al tuo sposo. ALCESTE Dalla morte alla vita io son rinata. ARIA Quanto godrà Allor che mi vedrà, L amato sposo mio, Il caro ben. Sò che dirà, Mio dolce e bel desio, Idolo del cor mio, Ti stringo al sen. (Partono.) Scena II Giardino. Antigona ed Orindo. RECITATIVO ANTIGONA E che sperar poss io, se il bell idolo mio, vago del mio dolor, che l alma strugge, lungi da questo seno (o Dio! sen fugge?) ORINDO Non t affligger, o bella, che servi alle tue voglie già mille cori avrai; e il primo ad amarti io sarò. ANTIGONA Amarmi? o questo nò! ORINDO Sì rigida! perchè? (Accenna di vezzeggiarla.) ANTIGONA Frena la destra audace. ORINDO Tanto rigor? ANTIGONA Cotanto ardir? ORINDO Incolpa la tua beltade. ANTIGONA Indegno, tu cerchi amor, e incontrerai lo sdegno. ARIA ORINDO Bella, non t adirar; E che ci posso far, Se a me rubasti il cor? Non posso no ben mio Cangiar il mio desio Perchè lo sforza Amor. Scena III Trasimede con il ritratto in mano, Antigona ed Orindo in disparte. RECITATIVO TRASIMEDE Godo, o bella, vederti in questo loco. ANTIGONA Signor, grazie ti rendo de tuoi regi favori. TRASIMEDE Mio bellissimo foco, tu sei dolce cagion de miei dolori. ANTIGONA A chi parli? TRASIMEDE Al mio bene. ANTIGONA A quel dipinto? TRASIMEDE No, no, a quello che io miro, Ahi! l altro è estinto. ORINDO Or so, perchè mi sprezza Ella ama il Prence, e l amor mio non cura. TRASIMEDE Sì, sì, più che vi miro (guardando Antigona) Sospirate vaghezze sì, voi siete, che l anima m ardete d una beltà dipinta, qual conforto sperar posso al mio duolo? Vanne Antigona al suolo, (Getta il ritratto, ed Orindo nascostamente lo raccoglie, e parte.) A te, a te mi volgo, splendor di mie pupille, bella effigie animata, cara Antigona amata. ANTIGONA Fuggirò col partir la tua follia. TRASIMEDE Ferma Antigona mia. ARIA Da te più tosto partir vogl io, Bel idol mio, Ma con te resta questo mio cor. Deh, ti sovvenga, ch io vivo in pene, Caro mio bene, E per te abrucio d un vivo ardor. (Parte.) Scena IV RECITATIVO ANTIGONA (sola) Per me si strugge Trasimede, o Dio! Ma se amarlo non posso, E che mai far degg io? Ad un oggetto solo è il cor costante, e Admeto è quello, per cui vivo amante. ARIA E per monti, e per piani, e per selve Tra bruti, e tra belve Io costante il mio ben seguirò. Se pietà non ha poi di mie pene L amato mio bene, Io per esso contenta morrò. (Parte.) Scena V Admeto, ed Orindo con il ritratto RECITATIVO ORINDO Sire; da che bramasti la cagion de trasporti saper di Trasimede; io col pensiero rivolto a ricercarla, e a compiacerti, seguiva il Prence; e nel seguirlo al fine conobbi, ch era questa. (Gli porge l immagine di Antigona.) L immago di colei, per cui sospira; Antigona la chiama, morta la crede, e in vita ogn or la brama. ADMETO Come l avesti? ORINDO Immerso nel suo duolo, vanne Antigona al suolo, ei disse, e la gettò io non veduto, la raccolsi, e qui venni. ADMETO Assai di lei più vago, ha il volto suo questa bizzarra immago; d Antigona non è, che Trasimede un tempo già l effigie sua mi diede. ORINDO Forse di qualche bella, ch ha d Antigona in nome egli sarà. ADMETO E si sprezza così tanta beltà? Vanne Orindo, ed osserva, come facesti, il Prence; e torna, quando credi saper di lui. ORINDO Legge è il commando. (Parte.) ADMETO Dove mi trasportate Vanità di pensieri! Ad Alceste tornate, E col pensier mirate Tra l ombre il mio bel sole. Deh torna o invitta prole Del Monarca del Ciel; Tornami, oh Dio! Alceste il mio tesor, L idolo mio. ARIA Sparite, o pensieri, Se solo volete, Tiranni severi, Ch io peni così! Se pur lo potete, Rendete l oggetto, Che grato diletto Mi diè notte e dì! Scena VI Mentre Admeto stà per entrare in scena, vien sopragiunto da Antigona e Meraspe; Trasimede gli osserva in disparte. RECITATIVO ANTIGONA Ecco chi tanto adoro. MERASPE A lui ti scuopri. ANTIGONA Io vado. (S inginocchia a piedi del Re.) Signor; già che la sorte a me ti guida, umil qual sono anch io, bramo inchinarti qui nel Real Giardino, di questi fior la cura a me fu data. ADMETO Ergiti, o bella; approvo in te la scelta. (La solleva da terra.) ANTIGONA Ahi! troppo, troppo mi onori, o Sire. (Admeto osserva il ritratto, e poi Antigona.) TRASIMEDE Che vedo! tra le braccia del Re la bella mia! ADMETO Dimmi, chi sei? ANTIGONA Rosilda m appello e figlia son di quel pastore. (Accennando Meraspe.) ADMETO Conosci questa effigie? ANTIGONA Sì, mio Signor; la vidi in mano a Trasimede Questa è quella, per cui egro d amor delira; e d Antigona morta la perdita fatal piange, e sospira. ADMETO Che parli tu d Antigona? ANTIGONA Racconto quanto so. ADMETO La vedesti? ANTIGONA Su le Trojane Arene già tempo è, il piè portai; vidi quella infelice, e l ammirai. ADMETO Come sai, che di lei sia Trasimede acceso? ANTIGONA Lo sò, perchè sovente Antigona mi chiama, perchè forse assomiglio a quel ritratto; e la sua fiamma scopre e il suo tormento. ADMETO Che ascolto? Ah Trasimede, il tuo fallo comprendo, la tua fiamma discuopro, e la tua frode intendo. D Antigona invaghito da Troja mi portasti l effigie d altra donna, e m hai tradito. ANTIGONA Nume del ciel, che sento! TRASIMEDE L immago, che poc anzi al suol gettai la mia frode ha svelata Fatto ben io, che resti al Re involata. (Parte.) ADMETO Se l aura tu respiri, degli Elisi beati, Antigona condona il mio commesso errore Al tribunal d amore non m accusar d ingrato m ingannò Trasimede. ANTIGONA Ah scellerato! ADMETO Stimi Antigona morta? ANTIGONA In mezzo alle armi da ferro ostil restò svenata in corte ma se viva qui fosse, or che disciolto sei, seco celebreresti i promessi imenei? ADMETO Non so ciò che farei. (Parte.) ANTIGONA Non so ciò che farei? Dunque sì poco m amasti, traditor? MERASPE O Principessa, perchè non ti scopristi? ANTIGONA Perchè ancor non è tempo. MERASPE Forse nociva a te fia la tardanza? ANTIGONA In mar d affanni assorta, Meraspe, io vedo già la mia speranza. ARIA Da tanti affanni oppressa Talor dico a me stessa Vivere tu non puoi, misera amante. Par che il confermi amore, Dicendo, che dal core Partirà solo il duol, con l alma errante. (Partono.) Scena VII Bosco. Ercole, ed Alceste, travestita da guerriero. RECITATIVO ERCOLE A qual fine, o Regina, sotto guerriero manto il sen copristi? ALCESTE Ercole; del mio core vo scoprirti gli arcani. Sappi, che questi arnesi vestirmi fece gelosia d amore. Se il consorte adorai, tu il vedesti, e lo sai. Or, che mercè della tua destra invitta dall abisso alla luce io son tornata, vo scoprir, se nel cor del mio consorte ver me spento è il suo amor con la mia morte. ERCOLE Credimi, che doglioso il tuo fatto deplora, e il nome tuo và proferendo ogn ora. ALCESTE Se il mi piange dirò, ch egli è il primo marito, che vedovo restando fra tormentose voglie s abbia veduto a lacrimar la moglie. ERCOLE Ah, come al tuo apparir, tosto il vedrai, nascergli d improviso la gioia al core, e al mesto labbro il riso. ALCESTE Deh; contentati Alcide pria di me, ricondurti entro la Reggia ove giunto dirai, che in van per me calcasti le vie d abisso, e che non mi trovasti. ERCOLE Alla trista novella l eccessivo dolor potria svenarlo. ALCESTE Sarò presta al soccorso e a risanarlo. ERCOLE Già che così t aggrada, parto, Alceste, a servirti. ALCESTE Starò poco a servirti. ARIA Gelosia spietata Aletto, Meco uscisti dall inferno, E m entrasti a forza in petto Per affligger questo cor. Ti vorrei scacciar dal seno, Ma non ho vigore bastante; Chi non prova il tuo veleno, Nò, non sa, che cosa è amor. (Parte.) Scena VIII Admeto, solo. RECITATIVO ADMETO Quivi tra questi solitari orrori, lontan dall altre cure vengo a sfogar gl interni miei dolori. Admeto, e che farai? Fra l ombre della notte quando tutto s oblia per doppio foco l alma tua s affanna. La sorte ti condanna, di due belle, che estinte già negli Elisi son, d essere amante Dove trarrai le piante per trovar il tuo bene? Se il trovi poi, chi ti trarrà di pene? Ah! che se abbraccio Alceste, Antigona disprezzo, e al mio cor, benchè avezzo a penar sempre, un tal dolor è troppo. Giusti numi del ciel, se deste aita a questa afflitta vita, fate, che il duolo abbia in me fine omai. Admeto, e che farai? ARIA Ah, sì, morrò, E allor potrò Dividere quel cor, Che in vita è poco. Così nel doppio amor All una, e l altra bella Risplenda una facella In doppio foco. (Parte.) Scena IX Antigona condotta a forza da soldati e Trasimede. RECITATIVO ANTIGONA Lasciatemi, oh felloni, voi nell opre imitate i barbari pirati, empi ladroni! TRASIMEDE Incolpa, o bella, incolpa in te la somiglianza, che d Antigona porti, e non l offese mie, non i miei torti. ANTIGONA Quest è l amor, la fede che ad Antigona serbi? TRASIMEDE O rimproveri giusti, o mia mancanza! Per vana somiglianza dovrò rendermi infido? Resta in pace Rosilda, e se t offesi di già pentiti i sensi miei son resi. (I soldati lasciano Antigona, ed ella si ritira.) Scena X Trasimede, a cui giunge un paggio che gli presenta un ritratto; ed Antigona in disparte. RECITATIVO TRASIMEDE Questo dunque è il ritratto che per me tu involasti dal real gabinetto? Ma che vegg io? (Guarda il ritratto.) Questa non è l immago d Antigona il mio bene, ma l immago del Re; prendila o stolto, e ritornala in corte! (Nel partire che fa il paggio con il ritratto del Re, le cade disavvedutamente.) Anche un bene dipinto mi contende la sorte. ARIA Chi è nato alle sventure Non può mai ritrovar Conforto e pace. Incontra ogn or sciagure, Nè il ben sa mai trovar, Se parla, o tace. (Parte.) Scena XI Antigona sola, e poi Alceste. RECITATIVO ANTIGONA Il ritratto d Admeto ha nel corso perduto il servo incauto; non è poco, o fortuna, che in mano mi presenti il ritratto gradito di colui, che nel cor porto scolpito. O caro Admeto, o idolatrato volto! ALCESTE O caro Admeto! chi è costei, che ascolto? ANTIGONA Amor lo sà, quanto, o mio ben, t adoro Lasciate, ch io vi baci, adorate sembianze, ond io mi moro. ALCESTE Costei sopra il ritratto del Rege mio consorte và gemendo così per darmi morte. ANTIGONA Chi m osserva? ALCESTE Un guerriero che le tue voci udì. ANTIGONA Chi è trafitta d amor, parla così. ALCESTE Resisti, o cor! Deh, dimmi Ami tu quell aspetto? ANTIGONA Io l amo, è vero, e se ben mel contese il destino severo, spero che un dì la sorte mel conceda in consorte. ALCESTE Questo è troppo! Chi sei? ANTIGONA Dell esser mio non posso darti notizia alcuna; sol ti dirò, ch io sono uno scherzo del fato e di fortuna. ALCESTE E dove abiti? ANTIGONA In corte. ALCESTE Mai non la vidi. A tetti tuoi ritorna. ANTIGONA Addio. ALCESTE Va in pace; ah no! Fermati, ascolta, dimmi Ami il Tessalo Re? ANTIGONA Di lui m accesi. ALCESTE E speri tu di conseguirlo in sposo? ANTIGONA Più non mi chieder, no, più dir non oso. ARIA La sorte mia vacilla Come scintilla in ciel Tremula stella; Talor s oscura, e poi Spargendo i raggi suoi Appar più bella. (Parte.) Scena XII RECITATIVO ALCESTE Quest è dunque la fede, che mi serba colui, per cui già volsi perder la propria vita? Ingratissimo Re, empio consorte! Ma, che deliri, o Alceste? Forse involò costei l effigia amata e s infinge così, per nascondere a me, che l ha rubata. ARIA Vedrò fra poco Se l idol mio Cangiò desio, O se costante Ei pur m adora Qual m adorò. Poi s egli a giuoco Prende il mio affetto, A suo dispetto Costante ancora Io l amerò. To the extent possible under law, TRASIMEDE has waived all copyright and related or neighboring rights to the Japanese text above. This work is published from Japan. Handel,George Frideric/Admeto/III
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/29385.html
ここを編集 ■魔王城でおやすみ 演出 3 ■関連タイトル Blu-ray 魔王城でおやすみ 1 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Blu-ray 魔女見習いをさがして Blu-ray「どうにかなる日々」Blu-ray Happy-Go-Lucky Edition 初回限定生産 Blu-rayDisc付き 『ラブライブ! スーパースター!!』「始まりは君の空」【みんなで叶える物語盤】 BEM~BECOME HUMAN~豪華版Blu-ray Blu-ray 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 10th Anniversary Compact Collection Blu-ray ぐらぶるっ! Blu-ray 映画クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 Blu-ray CHRONO CROSS 20th Anniversary Live Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda Millennial Fair FINAL at NAKANO SUNPLAZA 2020 ゴブリンスレイヤー Blu-ray BOX 初回生産限定 グリザイア ファントムトリガー THE ANIMATION 03[Blu-ray] 特装版 ラブライブ! サンシャイン!! Saint Snow 1st GIG 〜Welcome to Dazzling White Town〜 Blu-ray Memorial BOX ゾンビランドサガ Blu-ray BOX 初回生産限定盤 Blu-ray 思い、思われ、ふり、ふられ 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 1st Season 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 2nd Season 完全生産限定版 Blu-ray ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII OVA Blu-ray 映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日 BD特装版 Blu-ray アズールレーン 三笠大先輩と学ぶ世界の艦船 ぶるーれい Blu-ray 水瀬いのり Inori Minase 5th ANNIVERSARY LIVE Starry Wishes かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 22 OVA同梱版 呪術廻戦 公式ファンブック よつばと! 15 監修 庵野秀明・樋口真嗣など 夢のかけら 東宝特撮映画篇 パラレルパラダイス 13 特装版 アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover 9 オリジナルCD付き限定版 美樹本晴彦マクロス画集 軌 わだち― 夜ノみつき 10th EUSHULLY WORKS しらこ画集 ILLUSTRATION MAKING VISUAL BOOK カズアキ画集 Kazuaki game artworks ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~ 公式ビジュアルコレクション ぼくたちは勉強ができない 第21巻 音声ドラマ ミニ画集付き同梱版 あいきょう 荻pote作品集 ヒョーゴノスケ流 イラストの描き方 TVアニメ『くまクマ熊ベアー』オフィシャルファンブック 押井守原作・総監督 西村純二監督作品 『ぶらどらぶ』 解体新書公式コンプリートガイド OCTOPATH TRAVELER Design Works THE ART OF OCTOPATH 2016-2020 おそ松さん 3rd season SPECIAL BOOK 描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方 YMO1978-2043 「小冊子・YMO全トラックリスト2021 Amazon限定表紙版」付き To LOVEる -とらぶる- ダークネス FIGURE PHOTOGRAPHY COLLECTION 斉藤朱夏 CALENDAR 2021.4-2022.3 ラブライブ! サンシャイン!! Aqours DOME TOUR COMIC ILLUSTRATION BOOK ラブライブ! サンシャイン!! Aqours COMIC ILLUSTRATION BOOK 2020 Winter イジらないで、長瀞さん 10 特装版 「はたらく細胞」公式アニメ完全ガイド リスアニ! Vol.43.2「アイドルマスター」音楽大全 永久保存版VII アイドルマスター シャイニーカラーズ 3 CD付き特装版 ウルトラマンマックス 15年目の証言録 ウルトラマンZ特写写真集 じじぃ 人生は深いな 冴えない彼女の育てかた 深崎暮人画集 上 Flat. ぷよぷよ アートワークコレクション 古谷静佳1st写真集 re START THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER COLLABORATION! Great Journey ウルトラマンゼロ Blu-ray BOX クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 Blu-ray BOX 初回生産限定版 小林さんちのメイドラゴンBlu-ray BOX ゆゆ式Blu-ray BOX スペシャルプライス版 とーとつにエジプト神 Blu-ray 直球表題ロボットアニメ 全話いっき見ブルーレイ 未来ロボ ダルタニアス 一挙見Blu-ray VOL.1 シュヴァルツェスマーケン 全話見Blu-ray ワールドトリガー一挙見Blu‐ray VOL.1 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 魔王プレイボックス 初回生産限定 トータル・イクリプス 全話見Blu-ray Blu-ray Cutie Honey Universe Complete Edition 夜ノヤッターマン 全話いっき見ブルーレイ こみっくがーるず Blu-ray BOX 初回生産限定 Blu-ray 幼女社長 むじなカンパニーセット 初回生産限定 ログ・ホライズン 円卓崩壊 Blu-ray BOX 七つの大罪 憤怒の審判 Blu-ray BOX I Blu-ray 水樹奈々 NANA ACOUSTIC ONLINE 『Dr.STONE』2nd SEASON Blu-ray BOX【初回生産限定版】 魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編 Blu‐ray BOX 今井麻美 Winter Live「Flow of time」 - 2019.12.26 at EX THEATER ROPPONGI - Blu-ray盤 Blu-ray 仮面ライダーゼロワン ショートアニメ EVERYONE'S DAILY LIFE 仮面ライダー一挙見Blu-ray 1号 2号・V3編 仮面ライダー一挙見Blu-ray X・アマゾン・ストロンガー編 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1975-1981 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1982-1986 半妖の夜叉姫 Blu-ray Disc BOX 1 完全生産限定版 裏世界ピクニック Blu-ray BOX上巻 初回生産限定 Levius レビウス Blu-ray BOX【期間限定版】 スーパー戦隊 学研の図鑑 江口寿史美人画集 彼女 アニメディスクガイド80's レコード針の音が聴こえる necomi画集 PHONOGRAPHIC フルーツバスケット アニメ2nd season 高屋奈月 Illustrations 2 彼女、お借りします TVアニメ第1期 公式設定資料集 ドラゴンボール 超戦士シールウエハースZ 超シールガイド ガンダムアーカイヴス『ガンダムビルドシリーズ』編 Angel Beats! 天使画集 Angel Diary PANZER FRAULEIN 野上武志画集 【陸編】 Angel's cage るび様画集 Sweet Dream はすね画集 画集 制服Girl's▼コレクション もりょ作品集 異世界ファンタジーのキャラクターコレクション 劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」公式ビジュアルBOOK アイドルマスター シャイニーカラーズ イラストレーション ワークス VOL.2 Blu-rayDisc付き 八十亀ちゃんかんさつにっき 10 特装版 あんさんぶるスターズ! Ready For Star 2巻 缶バッジ付 Switch エーペックスレジェンズ チャンピオンエディション New ポケモンスナップ -Switch 【PS4】BIOHAZARD VILLAGE PLAMAX 聖戦士ダンバイン サーバイン ノンスケール PS製 組み立て式プラスチックモデル スーパーミニプラ 無敵ロボ トライダーG7 3個入りBOX 魔道祖師 前塵編 完全生産限定版 HGUC 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ Ξガンダム MG 機動戦士ガンダムSEED モビルジン 1/100スケール カンチ 青 ノンスケール ABS&ダイキャスト製 塗装済み完成品 ☆赤ver 魔女の旅々17 ドラマCD付き特装版 クリストファー・ノーランの世界 メイキング・オブ・インターステラー BEYOND TIME AND SPACE 時空を超えて るるぶアズールレーン からかい上手の高木さん15からかいカレンダーカード付き特別版 「武装神姫」原案イラスト集 ALLSTARS 機動戦士ガンダム サンダーボルト 17 キャラクターブック付き限定版 とある科学の超電磁砲T OFFICIAL VISUAL BOOK Aqours 5周年記念アニメーションPV付きシングル「smile smile ship Start!」【BD付】